2022年のグラミー賞では「Butter」でノミネートされた。受賞は逃したが圧倒的なパフォーマンスで話題をさらった(AP/アフロ)
2022年のグラミー賞では「Butter」でノミネートされた。受賞は逃したが圧倒的なパフォーマンスで話題をさらった(AP/アフロ)

 米国音楽界最高の栄誉とされるグラミー賞に3年連続ノミネートされたBTS。受賞は逃したが、メンバーは個別の活動に集中しているにもかかわらず、グローバルスターとして、その影響力の大きさを見せつけた。AERA2023年2月20日号の記事を紹介する。

*  *  *

BTSは2月5日(現地時間)、米ロサンゼルスで授賞式が開かれた第65回グラミー賞で、最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞に英ロックバンドのコールドプレイとのコラボ曲「My Universe」が、最優秀ミュージックビデオ賞にアンソロジーアルバム「Proof」のタイトル曲「Yet To Come」がそれぞれノミネートされた。

「My Universe」は2021年10月、米ビルボードのシングル人気チャート「ホット100」で首位を獲得。同曲が収録されたアルバムが最優秀アルバム賞にノミネートされたが、いずれも受賞を逃した。

■目にしない日はない

 BTSは「Butter」でノミネートされた昨年、圧倒的なパフォーマンスで授賞式をもり立てたが受賞を逃したこともあり、「受賞するなら7人全員そろった昨年受賞してほしかった」というARMY(BTSファン)も少なくない。だが、ノミネートされたこと自体、BTSの絶大な影響力を感じさせる。

 昨年のK-POPアルバム販売枚数は8千万枚を突破し、アルバム輸出額は史上最高値に達した。これを牽引したのは700万枚以上(ソロアルバム含む)を売り上げたBTSだ。昨年6月に「Proof」をリリースし、その後ソロ活動を展開している。

 12月には最年長メンバーのJINが陸軍に入隊し、他のメンバーも順次兵役を務める見込みだ。兵役期間は現在陸軍で1年半だが、韓国ではJINの不在はあまり感じられない。即席麺「ジンラーメン」をはじめ、JINが出演するCMが繰り返し放映され、JINを目にしない日はないからだ。2月1日には昨年10月に釜山で開かれたBTSのコンサートを記録した映画「BTS: Yet To Come in Cinemas」が世界128カ国で同時公開された。

次のページ