元朝日新聞記者 稲垣えみ子
元朝日新聞記者 稲垣えみ子

 元朝日新聞記者でアフロヘア-がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

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 先日の新聞で、共働き夫婦でも妻と夫の1日の家事・育児時間の差は約4時間半で、15年間ほぼ縮んでいないという調査結果が紹介されていた。結局は夫の側に「家事育児をしないのが『男らしさ』という意識があるのでは」と専門家。

 ま、さもありなん。私は独身子ナシゆえ育児は未経験だが、少なくとも家事に関しては「外で働いているから家事できない」ってことは全くないということを知っている。だって会社員時代はまあまあ長時間労働だったが他に誰もやらんとなれば自分でやった。逆に言えば、やらないのは「できない」のではなく、単にやる気がないだけである。私も実家にいたころは超ヒマだったのに母にほぼ任せきり。ハイやる気がなかったのです。母がやってくれるからラッキーと思っていたんですな。

 で、そこなんですよ。自分の身の回りのことを誰かがやってくれることって、本当にラッキーなのか。

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稲垣えみ子

稲垣えみ子

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

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