竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

「コンビニ百里の道をゆく」は、53歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 日々の仕事をする上で、「スピード感がある」のは重要なことでしょう。もちろん時間がかかった分、早く終わらせた人よりも良い結果を出してくれる場合もあるので一概には言えませんが、早く仕事を進められる能力は、強みになると思います。

 ただ、「どの順番で、その仕事にどの程度の時間をかけるべきか」がなかなかつかめず、苦労されている人も多いかと思います。

 私も若い頃はよく失敗しました。ただ早くやろうとしても結果は間違いだらけだったり。先輩によく怒られました。でもそんな失敗を経て、「時間の使い方」を自分なりに考え始めるわけです。

 大事なのはやはり仕事にかかる前の計画、段取りでしょう。料理をするときのことを考えるとわかりやすいです。たとえばアサリのパスタを作るとします。いちばん時間がかかるのは、大鍋でお湯を沸かす作業です。そこを、まずにんにくを刻んで、トウガラシの種を出して、ねぎを刻んで、アサリを用意して、それから大鍋でお湯を沸かし始めてとやっていたのでは、出来上がりは遅くなってしまいますよね。それぞれの作業にかかる時間は同じなのですが、組み合わせ方によって「結果」が出る時間がぜんぜん違ってくる。どういう順番でやれば休みなく時間が使えて、効率的にいち早くご飯にありつけるか。

街を行き交う人々。時間の使い方は「急がば回れの段取り」が一番大事だ
街を行き交う人々。時間の使い方は「急がば回れの段取り」が一番大事だ

 仕事でも日々の生活でも、「急がば回れの段取り」ができることが一番大事。私はいまでも、「あー、あれを先にやっておけばよかった、時間もったいなかったな」と思うことは多いです。

 ただ、うまくいったときは、何かちょっとうれしい。そうやって「仮説、実行、検証」を一生懸命に繰り返していると、だんだんうまくなり、気づくと良い時間の使い方ができる回数が増えていると思います。

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

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竹増貞信

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竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

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