第7波収束の見通しは立たず、感染者数が全国で高止まりしている。8月24日、岸田文雄首相は感染者の「全数把握」を見直す方針を明らかにした(写真:アフロ)
第7波収束の見通しは立たず、感染者数が全国で高止まりしている。8月24日、岸田文雄首相は感染者の「全数把握」を見直す方針を明らかにした(写真:アフロ)

 国内では依然として第7波が猛威をふるっている。いまさら聞けない、けれども知っておきたい罹患や療養、その後に関する疑問を医師に聞いた。AERA2022年9月5日号から。

*  *  *

Q:風邪の症状があります。検査を受けに行くべきでしょうか。

Q:発熱しましたが、すぐに平熱に下がりました。発熱外来を受診すべきでしょうか。

A:重症化リスクのない人は陽性とみなし自主療養

 自治体が行うPCR検査や抗原検査の無料検査場は、症状があったり、濃厚接触者であったりした場合は対象外になる。発熱外来は大混雑で受診まで時間がかかるともきく。罹患しているかどうかをはっきりさせるべきだろうか。

「高齢者ではなく、また重症化リスクの高い基礎疾患がない場合は、外来医療体制の逼迫(ひっぱく)が生じている現状を鑑みて、検査は不要です。新型コロナウイルスに罹患しているだろうと考え(みなし陽性)、自主療養しましょう」(米山医院・米山公啓院長)

 熱が出て下がった場合も同様、「重症化リスクがない人は、罹患したと考え、発症日から10日間の自主療養が妥当です」(同)

Q:症状のようなものが出て新型コロナウイルス罹患を疑いましたが、抗原検査キットで陰性でした。安心していい?

A:陰性=「罹患していない」ということではない

 抗原検査キットで陰性が出ても、罹患していないことの証明にはならない。

 検査には感度(陽性をどれくらい正しく判定できるか=偽陰性がどれくらい出るか)と特異度(陰性をどれくらい正しく判定できるか=偽陽性がどれくらい出るか)がある。

 PCR検査は、ウイルスの塩基配列の一部を正確に認識して増幅するので、ごくわずかなウイルス量でも検出できる。

「感度は研究にもよるが、発症当日で80%以上とされている。現場の実感として95%以上と考えています。特異度も極めて高く、ほぼ100%と考えていい」(たなか循環器内科クリニック・田中総一郎院長)

 一方、抗原検査は感度、特異度ともにPCR検査より劣る。特に発症後すぐの感度が低く、偽陰性となるのは珍しくない。

「喉が痛いからと抗原検査で調べたら陰性。安心していたら数時間後に発熱し、PCR検査をしたら陽性、というケースを、よく見ています」(同)

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