ネルソン・マンデラ国際デーに、ヘンリー王子と一緒に国連総会に参加したメーガンさん(写真・ZUMA Press/アフロ)
ネルソン・マンデラ国際デーに、ヘンリー王子と一緒に国連総会に参加したメーガンさん(写真・ZUMA Press/アフロ)

 イギリスの伝記作家、トム・バウワーさん(75)の暴露本「Revenge:Meghan, Harry, and the war between the Windsors(復讐:メーガン、ハリー、そしてウィンザー家の戦争)」では、英王室を離脱したヘンリー王子(37)とメーガンさん(40)について、様々な驚くべき事実が明かされている。その中で注目されたものの一つに、メーガンさんの慈善活動がある。

 メーガンさんは人道主義者と名乗り、10代のころからスープキッチンでボランティア活動を熱心に行ってきたと話していた。慈善活動は母ドリアさんの教えで、困った人に手を差し伸べるのは当たり前だった、という。

 しかし、メーガンさんは慈善活動をただの慈善活動には終わらせていないようだ。バウワーさんの本では、2016年、アフリカのルワンダに飛んだ時の様子を複数の証言から明かしている。ルワンダはアフリカ大陸の中部ほどに位置する内陸国。1994年にはルワンダ虐殺が起きて国民の一割以上が犠牲になった。その後は和解と社会改革を進めている。

 メーガンさんは、「ワールド・ビジョン・カナダ」という慈善団体から「グローバル・アンバサダー」としてルワンダ行きを打診された。団体の活動、特に安全な水を供給する貢献を広く知らせるためだ。「ワールド・ビジョン」とは、キリスト教宣教師が1950年に設立したNGOで、現在では約100カ国で開発援助、支援活動などを展開する。当時テレビドラマ「SUITS/スーツ」の撮影のためにカナダ・トロントに居住していたメーガンさんは、現地でのボーイフレンドを介して知り合ったトルドー首相が支援していたことをきっかけに、団体に関わるようになった。

■無数の衣装を持参

 ルワンダ行きの話にその場でOKしたメーガンさんは、団体の用意したカメラマンではなく、ファッション専門カメラマン、ガボール・ユリナ氏の同行を主張して譲らなかった。さらにヘアメイク・アーティストを連れ、ファーストクラスでルワンダの空港に降り立った。目立ったのは、わずか数日間の滞在にも関わらず複数の大きなスーツケースを持参していたことだ。いずれにも無数の衣装が詰まっていたという。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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衣装もメイクも完璧に仕上げて撮影