成田―ホノルル線の定期便が2年4カ月ぶりに復活した。搭乗口に並ぶ旅客たち/7月1日、成田空港で
成田―ホノルル線の定期便が2年4カ月ぶりに復活した。搭乗口に並ぶ旅客たち/7月1日、成田空港で

 新型コロナウイルスの感染者が世界的に増加している。国内でも感染の再拡大が報じられ、「第7波」への突入も指摘されている。いま何が起こっているのか。AERA 2022年7月18-25日合併号から。

【グラフ】各国の新規感染者数の推移はこちら

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「韓国に住む姉と姪に会いやすくなるかな」

 そう喜ぶのは東京都在住の40代の女性だ。6月29日、韓国政府は日本などからの観光客らに対し、1年以内なら何回でも入国できる「マルチビザ」の7月からの発給を発表した。短期ビザ発給は6月に再開しており、女性も申請を考えたが、大使館前に前夜から並ぶ人々をニュースで見て、諦めていた。

 大学2年生3人は、ハワイのガイドブックを購入した。ANAが5月28日から羽田/ホノルル便を週4便に増便、7月1日からは週5便に。成田/ホノルル便も週2便で再開となったことを受け、夏休みの旅行の計画を立てているのだ。

 人の動きが活発化している。海外へ向かう人も増え、条件をクリアすれば渡航可能な国が増えてきた。

世界的に感染者増加

 一方で、世界的な感染増もある。WHO(世界保健機関)は6日、オミクロン株「BA.4」「BA.5」が欧米で主流となる中、世界の1週間当たりの新規感染者数は2週間前に比べて30%近く増加したと発表した。

「人と会うためにメキシコに来たのに、自主隔離中です」

 水産業界で働き、メキシコに出張中の40代男性は苦笑する。6月下旬、米ロサンゼルス、メキシコと行動を共にした取引先の男性(日本人・50代)のコロナ感染が、帰国便に乗る前のPCR検査で判明。取引先と別れてロスからメキシコへと戻る途中にそれを知り、自身も翌日にせきや熱などの症状が出てきたため、自主隔離に入った。

「ロスでは飲食店などの従業員を除き、マスクをしている人はほぼいなかった。メキシコも8割ほどがノーマスクで、私もここではマスクをしていません。取引先と、アメリカ、メキシコで複数人数と会食したし、賑やかな酒場にも行った。メキシコではこの1週間で新規感染者が急増していて、確かに感染してもおかしくない状況でした」

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