HIKAKIN「時代が変わるなら、それに合わせて僕は180度変える」。撮影の終盤、おなじみのポーズを披露すると、現場で歓声が上がった(撮影/蜷川実花)
HIKAKIN「時代が変わるなら、それに合わせて僕は180度変える」。撮影の終盤、おなじみのポーズを披露すると、現場で歓声が上がった(撮影/蜷川実花)

 YouTubeの日本語版がスタートして、今年でちょうど15年。子どもの将来の夢が「YouTuber」なのも、何ら不思議ではなくなった。その「変化」を築いた先駆者こそ、チャンネル登録者数1千万人超のHIKAKINだ。AERA 2022年6月27日号では、そのHIKAKINにインタビュー。トップYouTuberの飽くなき追求に「満足」の文字はなかった。

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──2011年に「HikakinTV」を開設し、本格的に動画投稿を開始した。14年にはチャンネル登録者数が100万人達成。瞬く間に駆け上がりました。

HIKAKIN:当時、一気にスマホが普及して、その波に乗れたのを覚えています。ガラケーからスマホになって、YouTubeがブラウザでしか見られなかったところからアプリが出て、再生数もぐんと増えていきました。僕は日々同じことを全力でやっているんですが、自分の頑張り以外のところでYouTubeを見る人自体が増えていった。それは嬉しかったし、どうなるんだろうという勢いを感じていましたね。

──市民権を得てきた実感は、いつ頃から?

HIKAKIN:やっぱり「好きなことで、生きていく」というYouTubeのテレビCMでがらっと変わりました。僕も出させていただいたんですけど、渋谷の駅に巨大な看板も出て。10~11年頃は「なんで芸能人でもないのにカメラに一人で喋ってるの?」みたいな感じがありました。ブログは流行(はや)っていたんですけどビデオブロガーはまだ知られていなくて。そういうところから段々、商品紹介なんかも映像だからよりうまく伝わる、と認められるようになって、ゆっくりと普通になっていった。今でも、お子さんが「YouTuberを目指すんだ」と言った時に、全員が「よし頑張れ」と言うかはわかんないですけどね(笑)。ただ、だいぶ変わってきてるんじゃないかなと思います。

企画も編集もチームで

──かつて、動画制作は企画から編集まで全部一人でやっていた、と。

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「周りが見たいならやる」