投資の運用資産以外に生活費3年分をまかなう預金もない人は?

「その場合は、取り崩しが必要になる60歳を迎える3年ほど前から、運用資産の一部を少しずつ売却しておくのもいいでしょう。そうすれば、60歳で暴落に見舞われても、事前に現金化した資金で3年の様子見期間の生活費をまかなえます」

 取り崩しにも準備期間が必要ということなのである。

 最後に谷口さんの話をまとめよう。

「老後を迎えたからといって、暴落時の安値で現金化するのはもったいない。下がり続ける相場はないのです」

AERA Money 2022夏号(AERA増刊)
AERA Money 2022夏号(AERA増刊)

(編集・文/綾小路麗香、伊藤 忍)

 ※『AERA Money 2022夏号』から抜粋