新型コロナウイルスに感染したり、濃厚接触者になったりすると、家から出られなくなってしまう。日頃の備えが肝心だ(撮影/写真部・高野楓菜)
新型コロナウイルスに感染したり、濃厚接触者になったりすると、家から出られなくなってしまう。日頃の備えが肝心だ(撮影/写真部・高野楓菜)

 オミクロン株の感染拡大で、多くの感染者が自宅療養を強いられる可能性がある。子どもがいる家庭では、どんな点に気を付けるべきなのか。AERA 2022年2月14日号は、自宅療養を終えた20代女性に聞いた。

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 幼い子どもや親と同居しているなら、より気を配る必要がある。

「子どもたちがどうなるか、不安で心理的につらかったです」

 関東地方に住む20代の女性は振り返る。

 1月中旬、女性がPCR検査でオミクロン株に感染していると判断されたのを機に、30代の夫と娘(2)にも陽性反応が出た。女性が感染源と見られたが、心当たりはまったくない。

 幸い夫婦は症状が軽く、娘も無症状だったため病状に苦しめられることはなかった。しかし、別の病気で治療中の娘がどうなるか心配だったという。

■主治医と密に連絡する

 発熱したらどうしよう、治療は今後継続できるのか。0歳の息子もいるが、発熱経験もないのに感染して高熱が出たらどうしよう、熱性痙攣(けいれん)になるのではないか……。そう思うと、不安で押しつぶされそうになった。女性は主治医と密に連絡を取り、息子にはいつもより念入りに体調チェックを行うことで落ち着いたという。

 女性が住んでいる地域の病院は、1日の発熱者対応人数に制限が設けられ、陽性者や濃厚接触者は来院できないところもあった。大人は市販薬で応急措置ができても、市販薬の飲めない幼い子どもたちはどうすればいいかわからない。

 そこで女性は事前に、子どもたちのかかりつけ医に陽性者や濃厚接触者でも対応してもらえるか、薬はもらえるかなどを確認し対策を講じたという。

 自宅療養を終えた今、女性はこうアドバイスする。

「発熱してもすぐに病院を受診できないと思っておいた方がいいです。そのためには市販薬の解熱剤、鎮痛剤は自宅に置いておくべきです。特に子どものいる家庭は、子どもが発熱した時に、かかりつけ先が受け入れてくれるかどうか、前もって調べておいた方がいいと思います」

(編集部・野村昌二)

AERA 2022年2月14日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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