昨年12月に20歳を迎え成年皇族の仲間入りをした愛子さま(右)。佳子さまは姉の小室眞子さんの公務を引き継ぐ。お二人の発信力が期待される
昨年12月に20歳を迎え成年皇族の仲間入りをした愛子さま(右)。佳子さまは姉の小室眞子さんの公務を引き継ぐ。お二人の発信力が期待される

 年末年始に皇室のあいさつや近影が公表された。それらを見て感じたことがある。いま必要なのは上皇后美智子さまのような発信力ではないか。それを担う適役がいる。AERA 2022年1月17日号の記事を紹介する。

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 2021年12月29日、秋篠宮家の次女佳子さま27歳の誕生日。「お誕生日に際してのご近影」公表。明るい青のコート。

 22年1月1日午前5時半、天皇陛下の新年ビデオメッセージ公表。昨年に続き2度目。皇后雅子さまと並ぶスタイルも変わらず。「新年をお迎えになった天皇ご一家」の写真は、陛下のネクタイと愛子さまの服が水色。「リンクコーデ」と話題。

 同10時、皇居・宮殿で「新年祝賀の儀」。成年皇族として、愛子さまがローブデコルテ着用で初出席。コロナ禍に鑑み、女性皇族ティアラなし。叔母の黒田清子さんから借用した愛子さまのティアラも見られず。

 同10時半、秋篠宮家の長男悠仁さまが和服で仙洞仮御所へ。上皇ご夫妻へあいさつ。午後、両陛下と愛子さまも。愛子さまはフラワーモチーフがついたピンクの帽子。「帽子にメッセージを込めてきた美智子さまを受け継いだ」などと話題。

■決め手は「ディテール」

 以上、天皇家と秋篠宮家の年末年始のおさらいだ。ビジュアル情報優先にしたのは、佳子さまの誕生日に公表されたのが写真だけだったから。近況は「宮内記者会」が取材、それが報道される仕組みだ。

 報道によると佳子さまは、姉の小室眞子さんの公務を引き継ぐなど、オンラインでのさまざまな活動に取り組んでいる。眞子さん結婚をうれしく思い、幸せを心から願っている──。

 この「写真のみ、近況は説明」という流れ、今回に限ったことではない。「20歳の誕生日=記者会見、大学卒業=文書公表、以上終わり」が、眞子さんも含めての恒例になっている。が、それってもったいない!と思う。だからあえて、ビジュアル優先でまとめてみた次第だ。

 もちろん皇族方の服装は大切。楽しいし、たくさんのことが読み取れる。だけど、やはり「言葉」がほしい。そう思うのには、12月23日に公表された文書「上皇陛下のご近況について(お誕生日に際し)」がある。この日、88歳になった上皇さまの近況を第三者が説明するというものだが、すごく濃密なのだ。

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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