くら寿司の「超特大切り とろサーモン」
くら寿司の「超特大切り とろサーモン」

 11月1日、沖縄県で営業時間短縮の要請が解除され、約11カ月ぶりに全都道府県で制限なく営業ができるようになりました。外食産業に携わる人間としては、ようやく普通に仕事ができる環境が戻ってホッとしています。

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 とはいえ、今後もコロナのリスクがなくなったわけではありません。この約1年半の間に培い、導入してきた、感染拡大防止のためのノウハウや施策は、これからも継続するのはもちろん、感染抑止効果をはじめ、お客さまの利便性と快適性をさらに進化させていかなければならないと思っています。

 日本においては、ようやく落ち着いてきているコロナ禍ですが、海外ではまだそうではない地域も多く、それが意外なところに影響してきています。

 例えば、東南アジア各国においても、日本とほぼ同じ7月ごろから9月にかけて、デルタ株が猛威をふるいました。感染拡大を抑えるため各国政府は、厳しい外出禁止措置や工場の操業停止、都市のロックダウンなどを行いました。こうした厳しい措置は徐々に緩和されてきているようですが、その影響が日本のさまざまな産業に及んでいます。

 タイなどで部品の生産を行っている自動車産業では、部品生産の遅れから、各社が減産を発表するなど大きな影響を受けています。また、生産拠点の多くを東南アジアの置くアパレル業界もしかり。衣類だけでなく、クリスマス商戦から来年にかけて、バッグやスニーカーの商品不足が懸念されているようです。

 そして実は回転寿司業界にも、東南アジアのコロナ禍の影響が及んできています。そのひとつが、9年連続で回転寿司のネタで一番人気を誇るサーモンの加工です。

 現在、大手回転寿司チェーンで販売されているサーモンは、大半がノルウェーを中心に、チリや英国などで養殖されたものです。それらの国から、いったん東南アジア各国の加工場に運ばれ加工されて、日本に輸入されています。

 その東南アジアにある加工場が、7月以降、操業停止や操業率の大幅ダウンに追い込まれました。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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