年が明けたら受験本番へ。合格祈願の絵馬がずらりと並ぶ/2020年1月、山口県防府市の防府天満宮 (c)朝日新聞社
年が明けたら受験本番へ。合格祈願の絵馬がずらりと並ぶ/2020年1月、山口県防府市の防府天満宮 (c)朝日新聞社

 難化が想定された大学入学共通テスト。1回目となった今年の平均点は予想を上回ったが、来年はどうなるのか。AERA 2021年9月27日号は専門家に聞いた。

【写真】教育ジャーナリスト・神戸悟さん

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「2021年度の共通テストは、すごく難しくなるといわれていましたが、思ったより易しかったです」

 教育ジャーナリストの神戸悟さんはこう話す。21年度はセンター試験から、共通テストに切り替わった。共通テストでは、暗記にたよって解答できる問題が減り、思考力を問う問題が重視されるといわれていた。だから、平均点が下がると見られていたが、おおむね平年並みだった。

「今までのセンター試験は、平均点60点を目標に作られていたのに対して、共通テストは平均点が50点に下げられるといわれていました。ただ、蓋(ふた)を開けてみたら、平均点は予想以上でした。科目によりますがセンター試験と同じぐらいに収まりました。例えば、国語の試験内容は、センター試験とあまり変わらずほぼ踏襲されました。受験生たちが対策して頑張ったことも大きかったでしょう」

■科目によって変化予想

 次の入試はもう走り出している。2年目の共通テストの出願が9月27日に始まる。総合型選抜(旧AO入試)の出願も、9月1日にスタートした。22年度の共通テストの予測をエキスパートたちに聞いてみた。

「過去の例から言うと難しくなることは間違いない」(大学通信・常務取締役の安田賢治さん)

「間違いなく難しくなります」(駿台教育研究所・進学情報事業部部長の石原賢一さん)

 過去がそう物語っているという。

「約40年前、共通1次試験の導入時も、約30年前のセンター試験への切り替えのときも、1年目より2年目、2年目より3年目は難しくなり、4年目から安定する傾向にあります。難しくなるといっても、センター試験レベルの計算力や知識は必要で、かつ共通テストらしい出題形式に対応していかなければならないということだと思います」(同)

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