※写真はイメージ(gettyimages)
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「低刺激を求める」というガッキーの言葉に、若者から共感が集まった。イヤでも情報が入りすぎて自分を見失いがちになる昨今。「低刺激」はそんな時代から身を守るための防衛術のようだ。AERA 2021年7月5日号で取り上げた。

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 俳優の新垣結衣さん(33)が先月、結婚報告の中でこう記した。

「現場で試行錯誤する日々はそれはそれは刺激的な毎日で、いつしかその分、私生活は低刺激な時間を求め心がけ過ごしてまいりました」

“低刺激な時間”。華やかな芸能界の第一線を走る彼女が発した意外な言葉に、SNSでは共感の声が相次いだ。

「ガッキーの、私生活は低刺激の生活を心がけてたってステキだな。あたしもオンとオフちゃんとできるようになりたいなぁ」
「心底同意した」
「低刺激な生活 あー、わかる 仕事しんどいとそうなる」
「ガッキーも働く女子なんだなぁって、親しみが増した」

 若い頃に散々遊び尽くして、老後に穏やかな低刺激生活にたどり着く人はこれまでも多くいたはず。だが、新垣さんと同世代、さらにはもっと下の10代、20代の若者が低刺激を求めるとは一体どういうことなのか。

■休みの日は自分に集中

 都内で働く山本真由さん(22)も「低刺激」発言に「わかる」と共感を示す一人だ。

 この4月に就職した山本さん。仕事を始めてからは特に「自分のペースを崩したくない」という思いが強まったという。

「勤務先がテーマパークで接客の最前線なので、仕事で吸い取られるというか、自分を見失いがちなんです。だから、休みの日は自分に集中したい」

 睡眠のリズムを崩さないように、休みの日も朝6時には起きる。瞑想アプリの「メディトピア」を利用し、自分を整える。

 習慣にしている筋トレも「私にとってはマインドフルネス」。ハマっている休日のお菓子作りでも「いかに自分の世界に入れるか」が重要だという。

 そんな山本さんは、SNSネイティブと言われるZ世代ど真ん中。ツイッターは四つのアカウントを使い分ける。リアルの友人とつながる「リアアカ」、より親しい友達だけとつながる「裏アカ」、好きなアニメのつながりのための「趣味アカ」、美容情報をチェックするための「美容アカ」。インスタグラムにも同様に三つのアカウント、さらにTikTokにもアカウントを持つ。それだけSNSにどっぷりつかると“高刺激”なのでは、と思ってしまうが、自分で刺激をコントロールする術も持つ。

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