“リクルート出身”教育長が公立校を改革中 定員割れの商業高校を人気校へ (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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“リクルート出身”教育長が公立校を改革中 定員割れの商業高校を人気校へ

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IB教育を行う県立広島叡智学園。インターナショナルスクールだと年間200万~300万円ほど授業料がかかるが、同校は公立なのが魅力(写真:広島県教育委員会提供)

IB教育を行う県立広島叡智学園。インターナショナルスクールだと年間200万~300万円ほど授業料がかかるが、同校は公立なのが魅力(写真:広島県教育委員会提供)

平川理恵(ひらかわ・りえ、53)/1968年生まれ。リクルート勤務を経て留学支援ベンチャーを起業。横浜市の中学校で校長を務めたあと、2018年から現職(写真:広島県教育委員会提供)

平川理恵(ひらかわ・りえ、53)/1968年生まれ。リクルート勤務を経て留学支援ベンチャーを起業。横浜市の中学校で校長を務めたあと、2018年から現職(写真:広島県教育委員会提供)

「公立ではできない」と言われてきた教育改革を、次々とこなしてきた立役者がいる。リクルート出身の広島県教育委員会教育長・平川理恵さんだ。AERA 2021年6月21日号で、学校教育の問題点や改革内容などを語った。

*  *  *
 日本の学校教育の最大の問題点は選択肢がないこと。義務教育では基本的に住む場所で進学先が決まり、嫌なら私立校を受験するしかありません。ただ、誰もが行けるわけではないし、仮に進学しても生徒層が違うだけでごく普通の一斉授業というケースがほとんどです。

 不登校になる子どもが多いのも、そこに原因があると考えています。地域に様々な教育スタイルの学校があれば、一つ合わなくても別の選択ができるけれど、日本にはそれがない。網の目から漏れたらこぼれ落ちていくしかないんです。不登校の小・中学生を対象にした「適応指導教室」という言葉も嫌いです。適応していないのは教育システムです。なのに子どもに責任を押し付け、「適応していない」から指導するという姿勢は実に傲慢(ごうまん)です。

 横浜で校長をしているとき、私は校内フリースクールを作りました。教室に行きたくないならそこに登校していい。起立性調節障害で朝起きられなければ昼に来てもいい。居場所を作り、個別最適な選択肢を用意したことで、約30人いた不登校の生徒はほぼゼロになりました。

 県教育長として、広島でも同様の施策を進めています。また、教育の選択肢を増やす取り組みの一つに県立広島叡智学園があります。開校3年目、全寮制の中高一貫校で国際教育が特色の「国際バカロレア(IB)」教育を行い、地域の人も含めた学びのコミュニティーを築いています。IBスコアで国内外の大学進学もできるので、入試対策に追われることなく学びを深められます。県内の小学生に一つの選択肢を示すことができました。

■本場ヤンキーから刺激

 商業高校を魅力あるものにする取り組みもスタートしました。これまで偏差値で漠然と選択する生徒も少なくなかった商業高校を、選ばれる学校にするための挑戦です。昨年1月には、4校ある県立の商業高校教員と、ロサンゼルスのビジネスハイスクールを見学しました。本場の「ヤンキー」が、旬のスタートアップ企業を題材にした授業をワクワクしながら学んでいた。衝撃を受けた4校の教員は研修会を立ち上げ、新たなカリキュラムを作りました。今では週4時間、1学期で40時間近い課題解決型学習の時間を設けています。商業高校生から口コミで中学生にその魅力が伝わり、定員割れしていた商業高校が地区で1番の倍率になったケースもあります。


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