ヨーグルトなどの乳酸菌に代表される善玉菌を摂取するための食品が「“プロ”バイオティクス食品」。善玉菌の餌になる食物繊維などは「“プレ”バイオティクス食品」。「プロ」と「プレ」をバランス良く摂取することで腸内を改善するのは「“シン”バイオティクス」と呼ばれ、最新研究が進められている。“シン”はシンクロのsyn。きな粉とはちみつをヨーグルトに混ぜるのはシンバイオティクスの観点から有効だ。

 ここ数年で一気に注目を浴びているのはスーパー大麦「バーリーマックス」。オーストラリア政府もバックアップして作られたこの大麦には、乳酸菌など善玉菌の餌になる3種類の食物繊維フルクタン、βグルカン、レジスタントスターチが含まれている。この三つの食物繊維は発酵速度や腸で発酵する場所が異なるため、腸の奥まで行き届いて善玉菌を増やすスーパーフードとして学会でも取り上げられた。ゴボウの5倍といわれる食物繊維が含まれているので、便秘にも効果抜群という。

 よく「レタス○個分の食物繊維」などという表記を見かけるが、ゴボウの5倍!? スゴそう……ということで編集部でもさっそく試してみた。複数の会社から発売されているが、日本ガーリックという会社のものをネットで購入。粒タイプとフレークタイプがある。粒タイプは、白米と混ぜて炊くだけ。雑穀米に似てプチプチした食感がいい。カレーによく合う。卵かけごはんにしてもおいしかった。

 フレークタイプは牛乳をかけてドライフルーツをトッピング。こちらもグラノーラ感覚で朝食やおやつによさそう。そして翌朝にはしっかりと出た!

「ヨーグルトにしてもキムチにしても、腸まで届いた乳酸菌は最終的に便として排出されてしまいます。腸内に新しい乳酸菌を送り込み続けるという意味でも、毎日食べ続けることが何よりも大切です」

(ジャーナリスト・木村慎一郎、編集部・中島晶子)

AERA 2021年6月14日号

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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