「『明治プロビオヨーグルト R(アール)‐1(ワン)』は“強さひきだす”というキャッチコピーですが、学会で研究成果が発表されています。免疫で初の機能性表示食品となった『小岩井 iMUSE(イミューズ) 生乳(なまにゅう)ヨーグルト』も論文の裏付けがあります」

 一般的に、乳酸菌は胃酸や胆のうから小腸に分泌される「胆汁酸(たんじゅうさん)」に弱い。生きたまま腸まで届く乳酸菌は“ごくわずか”なのが難点だ。

「キムチなどに含まれる『植物性乳酸菌』は、動物由来の乳酸菌に比べると非常に過酷な環境に耐えて発酵してきたので、生きたまま腸に届く確率も高いといわれています」

 キムチもヨーグルトと同様、乳酸菌を含んだ腸活フードとしてエビデンスあり、ということだ。ただし乳酸菌は60度以上になると死滅するので、キムチを炒め物や鍋にするときは、火を止めてから混ぜるか、のせて食べたほうがいい。市販されている植物性乳酸菌では、京都の漬物「スグキ」に含まれるラブレ菌を含んだ機能性表示食品「カゴメ ラブレα」なども。

■腸活チーズの「種類」

 乳酸菌が含まれた食べ物はヨーグルトやキムチだけではない。戸塚さんが挙げてくれたのはチーズの乳酸菌。ただしチーズの中でも“腸活にいいもの”となると、限られる。

「プロセスチーズは商品を作る過程で加熱しているので、乳酸菌は死滅しています。生きた乳酸菌をとるという意味では、エメンタールチーズやグリエールチーズ、ゴーダチーズなど、熟成タイプのナチュラルチーズに分類されるものを摂取しましょう。ただしヨーグルトと比べると乳酸菌の数は劣ります」

 チーズの乳酸菌もよいが、近々“日本発の国菌チーズ”も誕生する。日本獣医生命科学大学と農林水産省の共同研究による「麹チーズ」だ。その名の通り、麹菌で作られている。麹といえば味噌やしょうゆに使われる、和の発酵食に欠かせない存在。チーズに麹菌を定着させるのが難しく、実用化は困難だったが、完成間近である。

■最新分野のシンバイオ

 ところで、ヨーグルトを腸活向けにパワーアップさせる方法はないのだろうか。

「食べるとき、きな粉やはちみつを加えてみてください。腸内に届くまで消化されず、善玉菌の餌になってくれます」

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