池谷麻依(いけたに・まい)/1992年、東京都生まれ。東京・香蘭女学校高等科卒。2015年4月にアナウンサーとしてテレビ朝日(東京)に入社。19年7月からは宣伝部での業務に携わっている(写真:テレビ朝日提供)
池谷麻依(いけたに・まい)/1992年、東京都生まれ。東京・香蘭女学校高等科卒。2015年4月にアナウンサーとしてテレビ朝日(東京)に入社。19年7月からは宣伝部での業務に携わっている(写真:テレビ朝日提供)

 既存の学部とは異なる新しい学部が続々と生まれている。AERA 2021年5月17日号で、その卒業生に進学した理由や学部の魅力などを語ってもらった。

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■池谷麻依さん(29)テレビ朝日宣伝部
法政大 キャリアデザイン学部

 高校生のとき、大学で学びたいことはたくさんありました。教育学、心理学、社会学に加えて、教員免許も取得したいなと。いろんな大学のパンフレットを取り寄せてシラバス(授業計画)などをチェックし、一番たくさん付箋が付いたのが、03年に生まれた法政大キャリアデザイン学部だったんです。教職関連はもちろん、教育、文化、経営の3分野を1、2年生で横断的に学べる。そんな授業を受けられそうなのが魅力でした。

 私は中高時代にガールスカウト部に所属していて、「他者支援」にも興味がありました。キャリアデザイン学部にはキャリアサポート実習という授業があり、高校生が将来何をしたいかを考える手助けをするプログラムを作り、高校生たちと話をするのです。それにも引かれました。

 キャリア体験学習という、企業にインターンシップに行ける授業にも興味を持ちました。合格して入ってみて、この二つは特にやりがいを感じました。

 そして何よりも印象に残っているのが、3年時から受講できた、当時学部の教授でいらした教育評論家の尾木直樹先生のゼミでの学びです。

 10人くらいの同期全員で行った共同研究調査では、私なりに一つの挑戦をしました。どちらかというと、周囲の人をうまくまとめるタイプではなかったのですが、大学生活は一度きり。それにせっかく希望したゼミに入れたのだからと、ゼミ長を志願しました。

 テーマの選び方から、調査研究で相手に投げかける質問内容まで、何を決めるにも多様な意見をまとめるのに一苦労。ぶつかり合うときもあれば、あまり出てこないときもある。どうアプローチすればいいのか、そこから壁にぶち当たりました。いろんな角度から意見を聞くために、「質問力」を上げるための本を買って読んだりもしました。

 ゼミの内容の構成も尾木先生と相談して組み立て、苦戦しつつもいい経験になりました。時間配分の仕方や質問力については、イベントやコメント取材も手がけるいまの宣伝部の仕事にも生きていると思います。

 教職での教育実習も、後に生きました。教師とアナウンサーは仕事の上で似ている部分があります。限られた時間の中でどうしたらうまく伝えられるのか。どんな言葉を使ったらいいのか。キャリアデザイン学部での学びは、アナウンサーの仕事にも役に立ったと感じています。

(編集部・小長光哲郎)

AERA 2021年5月17日号