育児で私も変わってきています。一人だと最短距離で行くのを、息子が楽しめるように回り道して景色を見せる。チームの豊かさのために。この視点で社会を見始めたら、仕事でも次のイベントの形が見えてきそうです。

夫:山見拓[40]
ひのでやエコライフ研究所 取締役

やまみ・ひらく◆1980年、奈良県生まれ。放送大学教養学部卒業。在学中から環境NPO・NGOの活動に参加し、2009年、ひのでやエコライフ研究所入社。家庭向けエコライフのサポート、小中規模事業所の省エネルギー診断や提案、自治体の温暖化対策の支援、省エネの調査研究等を行う。市民科学者を育てる「高木学校」の運営メンバー

 はるかさんには僕にない能力があって、苦手なところをガンガンやってくれる。家族をチームと捉えると面白いことができると予想できたので結婚を決めました。僕が教えるワークショップに小さな太陽光パネルを使った家庭用の発電所作りがあります。立ち上げてくれたのは彼女で、知り合いから需要を聞いて一緒に企画を考えてくれた。

 はるかさんは変化を生み出すのが大好きで、周りに人がいる方が生き生きする。僕は変化が苦手で、多くの人と接すると疲れてしまう。よく結婚したなという気も(笑)。いつも状況を考えて話をしてくれ、住居もバリエーション豊かなので僕も切り替えができるようになりました。

 息子が生まれてチームメートが増えました。二人で育休を取って、その間に僕は家に太陽熱温水器を設置したり、トイレで雨水を使えるようにしたりと、コミュニティーの人たちも助けてくれてやりたかったことが実現できました。チームでいる恩恵を得ている。その感謝が大きいです。(構成・桝郷春美)

AERA 2021年5月3日-5月10日合併号