だが裁判で国側は、「(ファイルは)裁判の争いに関係せず、存否を回答する必要がない」と主張。その存在すら明らかにしなかったのだ。
■「黒塗りで出ないことを」
そこで雅子さんは今年2月8日、ファイルの文書提出命令を国に出すよう大阪地裁に申し立てた。3月22日、同地裁であった進行協議で、国はファイルについて「探索中」と回答。地裁は5月6日までに文書で回答するよう求めていた。国は、もはや存否の回答は避けられないと判断したとみられる。
雅子さんは言う。
「赤木ファイルが提出されることは、二度と決裁文書の改ざんが行われず、二度と夫と同じような目に遭う国家公務員が出てこないようにするためにも、とても意味があると思います」
赤木ファイルには一体何が書かれているのか。国が認めたことによる今後の焦点は、どの範囲まで開示されるかだ。開示によって、改ざんに至った経緯や詳しい指示系統が明らかになる可能性がある。雅子さんは言う。
「まず黒塗りで出てこないことを期待したい。全部を明らかにしてほしいです」
(文/AERA編集部・野村昌二)
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