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「南海トラフ地震」の予兆あり 複数が連動すればM10規模、津波犠牲者47万人も

野村昌二AERA
群発地震が起きた鹿児島県・トカラ列島の悪石島。4月9日からの約10日間で、震度1以上の有感地震は250回を超えた (c)朝日新聞社

群発地震が起きた鹿児島県・トカラ列島の悪石島。4月9日からの約10日間で、震度1以上の有感地震は250回を超えた (c)朝日新聞社

AERA 2021年5月3日-5月10日合併号より

AERA 2021年5月3日-5月10日合併号より

 各地で地震が頻発している。専門家は「スーパー南海地震」の危険性を指摘する。AERA 2021年5月3日-5月10日合併号から。

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 いきなり、ドンと突き上げるような強い揺れが何度もあった。

「揺れる時間は長くなかったんですけど、不気味でした」

 鹿児島県のトカラ列島。70人近くが暮らす十島村(としまむら)の悪石(あくせきじま)島で「民宿あおば」を経営する坂元勇さん(55)は、振り返る。

 4月9日深夜にトカラ列島を襲った地震は、以降、昼夜を問わず頻発した。もっとも揺れが大きかったのが悪石島で、21日までに震度4を6回観測。坂元さんは不安でよく眠れず、いつでも近くの避難場所に逃げられるよう、非常用持ち出し袋を枕元に置いて寝たという。

 トカラ列島近海では、4月9日から21日までに震度1以上の地震が250回以上も観測された。なぜいま、この地域で群発地震が起きているのだろうか。

■海溝型地震の可能性も

 鹿児島大学南西島弧地震火山観測所の八木原(やきわら)寛准教授(地震学・火山学)は、断定はできないとしつつも、こう指摘する。

「トカラ列島周辺は、地質時代の火山活動が積み重なった『地殻の不均質性』が強い場所。海洋プレートの沈み込みや熱水など流体の蓄積で起きるひずみを、大きくためないうちに解放しようとして、群発地震を起こしやすいのです」

 これらは大震災の予兆なのか。相次ぐ揺れに、南海トラフ地震との関係も取り沙汰されたが、八木原准教授は、関連性は「ないか非常に薄い」と見る。

「南海トラフ地震の震源域とされる南海トラフとは数百キロ離れている。直接影響を及ぼすとは科学的に考えにくい。トカラ列島南部から徳之島西方にいたる海域では、複数の場所で5年から数十年に1度は群発地震が起きています。今回も、特徴的な場所で起きる地殻の通常の活動の一環だと思います」

 トカラ列島に限らず、近年は日本各地で不気味な地震が頻発している。今年に入っても、4月中旬までの間、北海道から沖縄にいたるまで、太平洋側を中心に震度3以上の地震が計80回以上起きている。

 立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授(災害リスクマネジメント)は、日本列島全体でみた場合、巨大地震が起きる可能性は「極めて高い」と語る。


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