ニュートロの始まりが日本のシティポップだったことは前述したが、今年の初めから韓国でジワジワと“きている”のが大塚愛の「さくらんぼ」だ。YouTubeには、韓国アイドルがカバーした「さくらんぼ」動画があふれているが、中でも、3月14日にAB6IX(エイビーシックス)のウン(23)がアップした動画は、大塚自身がツイッターで反応し、日本でも話題となった。

■自ら作る「制作ドル」

 韓国では、アイドルグループの多くが、メンバー自ら作詞・作曲に参加。そんな音楽制作に携わるアイドルを「制作ドル」と呼ぶ。AB6IXはメンバー全員が作詞・作曲に携わる正真正銘の「制作ドル」だ。オーディション番組「PRODUCE101シーズン2」で最終合格者に選ばれ、期間限定グループWANNA‐ONEとして活躍したデフィ(20)は、他アーティストに曲を提供するほどの才能の持ち主。全員が日本通で日本語レベルも高いが、日本デビューはまだで、年内にデビューかとも言われている。

 この春、話題となっているのが、Mnetで4月1日から日韓同時放送スタートの「Kingdom:Legendary War」(以下、キングダム)だ。この番組は、人気・実力ともに確かな6組の現役ボーイズグループが、課題に合わせてパフォーマンスを組み立て、競い合い、優勝を決めるサバイバル音楽番組。優勝すれば、Mnetが総力を挙げて売り出しにかかる。「今年の顔」となることが約束されているようなものだ。

 この番組の前哨戦とも言える「Road to Kingdom」(以下、ロード)で優勝し、番組出場権を手にしたのが、デビュー4年目のTHE BOYZだ。ビジュアル偏差値の高さから、「全員センター級」のキャッチフレーズを持ちながらも、これまでなかなかブレークのチャンスを掴めなかった。だが、ロードでは斬新なコンセプトと確かなダンス力をアピールすることに成功。ロードへの出演後、韓国で発売したアルバムはそれまでの3倍の売り上げを記録したという。いま最も上昇気流に乗っているグループの一つといえる。強豪ぞろいのキングダムでも、存在感を見せてくれるだろう。

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