障害をオープンに伝える勇気 「スーパーシューズ」が子どもたちをつないでくれた (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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障害をオープンに伝える勇気 「スーパーシューズ」が子どもたちをつないでくれた

連載「障害のある子と生きる家族が伝えたいこと」

江利川ちひろAERA
「インクルーシブ」「インクルージョン」とは、障害や多様性を排除するのではなく、共生していくという意味だ(gettyimages)

「インクルーシブ」「インクルージョン」とは、障害や多様性を排除するのではなく、共生していくという意味だ(gettyimages)

江利川ちひろ(えりかわ・ちひろ)/1975年生まれ。NPO法人かるがもCPキッズ(脳性まひの子どもとパパママの会)代表理事、ソーシャルワーカー。双子の姉妹と年子の弟の母。長女は重症心身障害児、長男は軽度肢体不自由児。2011年、長男を米国ハワイ州のプリスクールへ入園させたことがきっかけでインクルーシブ教育と家族支援の重要性を知り、大学でソーシャルワーク(社会福祉学)を学ぶ

江利川ちひろ(えりかわ・ちひろ)/1975年生まれ。NPO法人かるがもCPキッズ(脳性まひの子どもとパパママの会)代表理事、ソーシャルワーカー。双子の姉妹と年子の弟の母。長女は重症心身障害児、長男は軽度肢体不自由児。2011年、長男を米国ハワイ州のプリスクールへ入園させたことがきっかけでインクルーシブ教育と家族支援の重要性を知り、大学でソーシャルワーク(社会福祉学)を学ぶ

 「インクルーシブ」「インクルージョン」という言葉を知っていますか? 障害や多様性を排除するのではなく、「共生していく」という意味です。自身も障害を持つ子どもを持ち、滞在先のハワイでインクルーシブ教育に出会った江利川ちひろさんがその大切さや日本での課題を伝えます。

■新学期に抱いた不安

 もうすぐ4月、入園入学のシーズンですね。

 障害のある子どもを持つ母親にとって、幼稚園や学校のクラス替えは大イベントです。ほとんどの場合、年度初めの懇談会には自己紹介の時間があり、新しい先生や他のママたちに子どもの話をすることになるからです。

 いきなり障害のことをオープンにするのは、気後れしてしまう方もいるかもしれませんが、私は息子が幼稚園に入園した当初から今でも、彼の身体の状態についてあえてこちらから話すようにしています。直接知ってもらえるチャンスだからです。

 息子が入園した際、私が一番恐れたのは、不確かな情報を元にママたちの間でうわさになることでした。まだまだ肢体不自由児の認知度が低かったため、「クラスに影響があるのかな?」と懸念されてしまうことだけは避けたく、考えた結果、ざっくばらんに話してしまった方がお互い誤解がなくなるような気がしたのです。

 当時は私自身もまだ、息子の障害について今ほどオープンに語ることができなかった頃でもあり、「歩けない」「脳性まひ」という言葉を発すること自体、とても勇気がいる作業でした。けれども、良い意味で私が開き直るきっかけになったようにも思います。

 小さく生まれた後遺症により、膝から下に麻痺が残ってしまったこと、この園でずっとつながっていく友達を見つけてほしいと思っていること、もしもお子さんに迷惑をかけてしまう場面があったら、遠慮なく教えてほしいということなどを、泣かないように気を付けながら話しました。

■子どもたちも受け入れてくれた

 どんな反応が来るのか不安でしたが、どのママも真剣に頷きながら聴き、懇談会後には理解を示して話しかけてくれた方がとても多かったことにホッとしました。
 


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