ファイザー社の新型コロナウイルスワクチンの第1便は2月12日、日本に到着した (c)朝日新聞社
ファイザー社の新型コロナウイルスワクチンの第1便は2月12日、日本に到着した (c)朝日新聞社
AERA 2021年2月22日号より
AERA 2021年2月22日号より

 日本でもいよいよ始まる新型コロナウイルスワクチンの接種。いつから、どんなワクチンを、何回接種する必要があるのか。AERA 2021年2月22日号では、気になるポイントをQ&A形式で解説した。

【ワクチンの接種スケジュールはこちら】

*  *  *

 Q:いつどこで、誰から接種が始まりますか。

 A:まず医療従事者。早ければ4月に高齢者へ。費用は無料。

 接種はまず、国立病院機構など限られた医療機関の医療従事者約1万~2万人を対象に始まる。政府の計画では3月には、全国の医療従事者や保健所の職員、感染者の搬送を担う救急隊員ら約400万人に優先的に接種を行う。早ければ4月にも、重症化リスクの高い65歳以上の高齢者約3600万人に接種を開始する計画だ。対象は2021年度中に65歳以上になる人だ。

 その後、慢性的な心臓の病気や糖尿病など持病のある人やBMI30以上の肥満の人、高齢者施設の職員らが接種を受ける。次いで、60~64歳の人が終わった後に、その他の人の接種が始まる。費用は全員無料だ。

 ただし、計画通りに接種が行われるかどうかは不透明だ。ワクチンがいつ、どのぐらいの量、供給されるか見通しが立っていないからだ。

 ファイザー社製ワクチンは当面、ベルギーかドイツの工場から出荷されるが、域内のワクチン供給が予定よりも遅れている欧州連合(EU)は3月末まで、先進国向けの輸出を承認制にした。国内向けの第1便は12日に到着したが、ワクチンを担当する河野太郎・行政改革相は9日の会見で「(第2便以降も)1便ごとに承認が必要のようだ」と明かした。

 また、もともとファイザー製ワクチンは1瓶で6回接種できる見積もりだったが、国内で流通する注射器が投与量よりも若干多く注射液を吸い込むため、1瓶で5回しか接種できないことが最近になって判明した。当初計画より接種できる回数が減るため、さらに接種スケジュールの不透明さが増した。

 職場で接種できる可能性の高い医療従事者に対し、それ以外の人は、原則として住民票のある自治体から送られてくる接種券(クーポン)を持参し、地元の指定された場所で接種を受ける。ただし、高齢者施設に長期間入所している人らは滞在地で打つことができる。

 Q:どんなワクチンを打つのですか。

 A:当面はファイザー製。選ぶ余地はない可能性が高い。

 政府はファイザー社製以外に、英アストラゼネカ社や米モデルナ社からもワクチンの供給を受ける契約を結んでいる。

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