小島慶子「音声SNS『クラブハウス』 リスクと開かれた対話の可能性」 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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小島慶子「音声SNS『クラブハウス』 リスクと開かれた対話の可能性」

連載「幸複のススメ!」

小島慶子AERA#小島慶子
エッセイスト 小島慶子

エッセイスト 小島慶子

音声SNS「クラブハウス」のダウンロード画面。利用者のアイコンが画面に現れ、会話をしている音声だけが聞こえる仕組み(iPadからのキャプチャー)

音声SNS「クラブハウス」のダウンロード画面。利用者のアイコンが画面に現れ、会話をしている音声だけが聞こえる仕組み(iPadからのキャプチャー)

 タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

【音声SNS「クラブハウス」のダウンロード画面の写真はこちら】

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 音声SNS「クラブハウス」が話題です。昨年アメリカでスタートし、日本では今年の1月から使えるようになりました。今はiPhoneユーザー限定ですが、Appストアからアプリをダウンロードすれば始められます。アプリに電話番号を登録すると、自分の番号をアドレス帳に登録している友人のうち、既にクラブハウスにアカウントを持っている人あてに「〇〇さんがクラブハウスに入ろうとしていますよ」と通知が行きます。誰かが承認して中に入れてくれれば、めでたくアカウントを作れるという仕組み。最初に2人分の招待枠がもらえるので、友人に送れば、その人たちはすぐにアカウントを作れます。

 アカウントを作ると、トークルームを開けるようになります。トークルームは、いわば自分専用の放送スタジオ。非公開設定で友達とのおしゃべりに、フォロワー限定で交流会に、公開設定にすればラジオの生放送のように使えます。聴衆とのやりとりも自在。ただ雑談を流してもいいし、討論会風にするのもあり。さらに「クラブ」を申請すれば、同じ話題を好む人たちとのコミュニティーを作れます。

 アメリカではいじめや差別の温床にもなり、改善策が打たれましたが、まだ発展途上のSNSです。誰もが安心して楽しめる場にできるかどうかは使う人次第。米英では人気のトークルームを開催する人は「有名モデレーター」としてセレブ化しつつあります。既存のSNSでは無名の人でも、テーマの設定や対話の場を作るのが抜群にうまければ人気者になれるのです。

 欲望渦巻くSNS。声は正直です。いわゆるインフルエンサーと呼ばれる有名人たちも公開内輪話で油断して失言すれば、キャリアを失うリスクも。今後は、開かれた対話を生み出す新たな才能が、日本でも次々と登場するでしょう。

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中

AERA 2021年2月15日号


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小島慶子

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。共著『足をどかしてくれませんか。』が発売中

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