占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.
※写真はイメージ(gettyimages)
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

【絵でわかる】しいたけ.流“タイプ別トラブル回避法”

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Q:昨年から周りの人の人生の転機をよく見てきました。職場では異動、退職、入社、また身内では結婚する人、父親を亡くした人、作家業を得た人、今まで拒んでいた手術に挑む人も見られました。私は大きな転機だと感じる出来事がまだありません。このまま過ごしていいのか、不安もあります。(女性/会社員/33歳/かに座)

A:「転機」という言葉を聞いた時に思い出す、印象深いエピソードがあります。昔の友人で、免許を取ってすぐに、借りた高級車で遠出した友人がいるんですね。それが途中で電柱に車をぶつけて大破してしまった。そのとき彼はフリーターだったんですが、大破した瞬間に「起業しよう」と思ったそうなんです。アルバイトだと賠償するのに何年もかかるから。もう起業しようって。僕が知りうる限り、一番魅力的な「転機」なんです。

 何が言いたいかって、転機には、本人にしかわからないメカニズムが働くということ。他人から見たらこじつけにしか見えない転機もあります。本とかテレビで紹介される転機は、ちょっと盛られてる気がする。現実は「今日食べたカレーがおいしいから会社辞めよう」とかそういうこともあり得る。その人の中で何かが爆発するんでしょうね。

 そして、転機をものにしやすい人と、気づきにくい人がいます。どうしたら転機をものにできるか。それは「あ、面白くなってきた」を心の中での口癖にしてほしいんです。それが小さな転機を作るから。例えばよく調べないで買ったパソコンのスペックが良くなくて、使いにくかったとします。そのときあえて「面白くなってきたぞ」って言うと新展開が生まれることがあります。条件が悪いものと付き合うときに生まれる工夫とか、不利なことに対してどう付き合うか。チャンスだけ見ようとしても転機はやってきません。なぜなら世の中ってそんなにうまい話がないから。不利なことへの対処法が10個ぐらいたまったときにこそ、大きな転機がやってきます。

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しいたけ.

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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