澤田:これから先、海外に出た創価学会が、それぞれの国で政党的な力を持つ日というのは来るんでしょうか。
佐藤:今のところはそういう動きを示していないです。長期的に、そうなる可能性を排除してないと思います。これは各国が置かれた状況で変わってくるでしょう。公明党に相当するような政党というのは、ほかの国ではいまのところはないですよね。でも、創価学会の価値観からすると、信仰即行為で、政治の領域を信仰から除外してはいけないということだから。
澤田:そうなったときに、海外において創価学会が排斥されることも、また起きてきますかね。
佐藤:フランスのような国においては、その可能性があるということですよね。
澤田:そうですね。
佐藤:でも、それ以外の国には逆に、宗教がバックグラウンドにあるような政党っていくらでもありますから。それが一つ増えたんだっていうくらいのことなんでしょう。むしろ創価学会のほうが、その可能性を持っているのに、可能性を使ってないという非常に慎重な感じがしますね。世界の国々の文化や習俗を尊重していて、現地で信仰が根付くよう“土着化”することに時間をかけている。国の政治体制にもよりますが、政治はその後だと思います。
澤田:なるほど。ちなみに一番最初に政党ができるとすればどこでしょう。
佐藤:政党を具体的に作るかどうかはわからないんですけれども、イタリアではかなり力がありますよね。
澤田:イタリアですか。なかなかイタリアと創価学会って結び付かないです。
■体制とぶつからない道探れる宗教に関心がある
佐藤:2015年にイタリア共和国がイタリア創価学会とインテーサ(宗教協約)を結んでいます。いずれにせよ、あり方はその国の文脈によって決めていくっていうことだと思います。だから、今の時点では、まだその時期ではないと思うんですよ。私がいま関心があるのは、やはり中国がいつ外国宗教の解禁をするのか。そのときの外国宗教で念頭に置いているのは、創価学会とカトリックだと思います。中国はそれらとの関係をどうするか、すごく考えているでしょうね。