「水だけで3日」「冬なら死んでいた」コロナ禍に家を失う若年層増加の現実 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「水だけで3日」「冬なら死んでいた」コロナ禍に家を失う若年層増加の現実

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野村昌二AERA#新型コロナウイルス
東京・池袋の公園で冬物衣類の放出を待つ、ホームレスの男性(43)。生活保護は家族に連絡が行くので、申請したくないと話した(撮影/編集部・野村昌二)

東京・池袋の公園で冬物衣類の放出を待つ、ホームレスの男性(43)。生活保護は家族に連絡が行くので、申請したくないと話した(撮影/編集部・野村昌二)

歌舞伎町の路上でホームレスをしていた男性(32)。「何度も、死にたいと思ったことがありました」。今は生活保護につながった(撮影/編集部・野村昌二)

歌舞伎町の路上でホームレスをしていた男性(32)。「何度も、死にたいと思ったことがありました」。今は生活保護につながった(撮影/編集部・野村昌二)

 新型コロナが原因で、家をなくし、ホームレスになる若者が増えている。AERA 2020年11月16日号はその実情を追った。

【写真】歌舞伎町の路上でホームレスをしていた男性

*  *  *
「これから寒くなるのに、このままでは冬を越せない」

 10月下旬、東京・池袋の公園。男性(43)は、ホームレスになって痛めたという腰に手をやりながら疲れた表情でつぶやいた。

 九州出身で、長野県内の工場で派遣社員として働いていた。だが、新型コロナウイルスの影響で経営が悪化すると、社員と派遣社員の半数ずつが「人員整理」されることになり男性は対象者になった。9月中旬、「雇い止め」となり職をなくした。

 仕事を求めて同月下旬、東京に来た。ネットカフェで暮らしながら仕事を探したが、年齢が壁となった。10月半ばにはお金が底をつきホームレスになった。公園などで寝泊まりを続けながら何とか暮らしていたが、所持金は100円を切った。

「今は、一日一日を生きるので精一杯です」

 家族とは決別しているので頼りたくないという。頼ったのが、池袋を拠点にホームレスを支援するNPO法人「TENOHASI」だった。冬物の衣類をもらえると聞き、配布場所のこの公園に1時間前から並びジャンパーをもらうことができた。だが、今後のことを考えると不安は尽きない。病気、食事、寝る場所。男性はこう話した。

「僕一人では、どうしようもできない」

■相談が再び増加の傾向

 コロナ・ショックが続く中、仕事をなくし住まいを失い、ホームレスになる人が増えている。

 先のTENOHASIでは月2回、池袋の公園で無料の医療・生活相談、配食などを行っているが、事務局長の清野(せいの)賢司さん(59)によれば、コロナ前、1度の相談で10人程度だったのが、4月と5月は一気に30人近くに増えたという。コロナの感染拡大でネットカフェが休業し、路上に押し出された人たちが多い。20代、30代の若年層が中心で女性も多かった。その後は少し落ち着いたがここ最近、再び増加傾向にあるという。清野さんは言う。

「これからますますコロナの影響で解雇や雇い止めが増えると考えられる。住まいは、生存と精神の基盤。早く手を打たないと、その基盤をなくす人たちが一気に増える」


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