前年の2015年は1億7000万円以上の利益を出せていたのに、その利益分に匹敵する損失を年始のたった1週間で出してしまった。

「いったい、どれくらい負けるんだろうか」

怖くなりました。1億円以上の損失、しかも総資産に対して10%以上負ける経験はしたことがありません。精神的にめちゃくちゃきつかった。食べ物もノドを通りません。自分でもびっくりしましたが、血尿が出ました。

失敗の原因は、まずブロックチェーンという技術がそれほど強い材料だったことに気づけなかったこと。さくらインターネットのような小型株の場合、大量の買いが入ると株価が青天井で上がりやすいこと。そして、損失無限大というカラ売りの怖さ……。

損失1億数千万円でさくらインターネットを切った直後は、放心状態でした。大きな売買を終えたあとは、放心状態でベッドに横になるのが僕のルーティン。失敗したあとは寝ます、とにかく寝ます。

目が覚めて思ったのは、2015年の年末の、資産10億円を達成したときのことでした。負けたとき、失敗したとき、僕はこれまでの成功体験を思い出すようにしています。株の取引をしている間、感情は常にフラットでないといけないと思っているからです。

ーー続きはアエラ増刊『AERA Money 今さら聞けない投資信託の基本』でーー

(構成/安住拓哉、編集部・中島晶子、伊藤忍)

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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