「つみたてNISAの利点は資金をいつでも引き出せることです。住宅ローンの繰り上げ返済や子どもの教育費の支払いなど大きな出費があるとき、自由に使えるのがいい。その点は、60歳まで掛け金を引き出せないiDeCoより優れています」(ファイナンシャルプランナーの平野雅章さん)

 つみたてNISAで非課税の優遇措置を受けられる期間は20年間。毎年40万円をつみたてれば最大800万円の非課税投資ができる。ネット証券や銀行につみたてNISAの口座を開設すれば、自動的に資金が積み上がっていく。

 増やそう、増やそう、と気合を入れすぎなくてもいい。

「強制的に毎月約3.3万円つみたてていれば元本は20年で800万円になる。この『強制貯蓄効果』も、つみたてNISAの長所です」

 金融庁がつみたてNISAをスタートさせて2年半が経った。一番売れている投資信託は何なのか。

 つみたてNISAで買える投資信託全182本(2020年6月29日現在)の中から、「インデックスファンド」に分類される157本を純資産総額でランキングすると、ベスト3はーー。

1位:<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

2位:ニッセイ日経225インデックスファンド

3位:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

 コストが安く、中身もシンプルなものが上位に来た。個人投資家も賢く選んでいることが伺える。『AERA Money 今さら聞けない投資信託の基本』では、157本すべてのランキングと手数料などのデータを公開している。

(構成/安住拓哉、編集部・中島晶子、伊藤忍)









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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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