国立循環器病研究センターがダイキン工業などと共同開発中の純国産高性能マスク。フィルター部分が交換式で、マスク本体は繰り返し使える(写真:国立循環器病研究センター提供)
国立循環器病研究センターがダイキン工業などと共同開発中の純国産高性能マスク。フィルター部分が交換式で、マスク本体は繰り返し使える(写真:国立循環器病研究センター提供)

 新型コロナに立ち向かう医療現場で不可欠な高性能マスクの不足が深刻だ。入手困難な米国製に替わる国産品を作ろうと、医療現場とメーカーが動き出した。AERA 2020年9月14日号から。

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 医療用マスク「N95」が入手困難という医療現場の悩みを解消するため、国産の高性能マスク開発に乗り出したのが国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)だ。

 医療機器・医薬品の「ニプロ」(大阪市)、空調の「ダイキン工業」(同)、3Dエンジニアリングの「クロスエフェクト」(京都市)と4者共同で開発チームを結成、純国産のN95相当の医療用高性能マスクを年内にも販売することを目指すと2日、発表した。

 試作品は既に出来上がっており、繰り返し使える本体の先に、使い捨てのカートリッジフィルターを取り付ける構造が特徴的だ。本体は洗ったり消毒したりして1年程度は使える強度で、日本人の顔の形にフィットしやすい形状にする。フィルターも従来製品より呼吸しやすいよう性能向上を目指すという。

「4月から6月ぐらいまで、本当に不足して困っていたので。じゃあ作ろうかということになりまして」

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