田岡俊次氏「もし尖閣戦闘」勃発したら敗戦濃厚」 制空権握れず「水陸機動団は海上で全滅も」 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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田岡俊次氏「もし尖閣戦闘」勃発したら敗戦濃厚」 制空権握れず「水陸機動団は海上で全滅も」

AERA#中国#安倍政権
田岡俊次(たおか・しゅんじ、78)/軍事ジャーナリスト。朝日新聞で1968年から防衛庁担当、米ジョージタウン大戦略国際問題研究所主任研究員、朝日新聞編集委員などを歴任 (c)朝日新聞社

田岡俊次(たおか・しゅんじ、78)/軍事ジャーナリスト。朝日新聞で1968年から防衛庁担当、米ジョージタウン大戦略国際問題研究所主任研究員、朝日新聞編集委員などを歴任 (c)朝日新聞社

中国の尖閣上陸を念頭に置いた離島奪還訓練を行う自衛隊員と水陸両用車。一方で安倍政権は中国との関係改善に腐心してきた/2019年11月、鹿児島県・種子島 (c)朝日新聞社

中国の尖閣上陸を念頭に置いた離島奪還訓練を行う自衛隊員と水陸両用車。一方で安倍政権は中国との関係改善に腐心してきた/2019年11月、鹿児島県・種子島 (c)朝日新聞社

 この場合、もし武力衝突になればどうするか、も考えておく必要がある。尖閣諸島で戦闘になれば日本の勝算は低い。航空自衛隊の戦闘機約300機に対し中国空軍は戦闘機・攻撃機約1700機。操縦士の飛行訓練は年間約150時間で、航空自衛隊と等しい。中国にとって最重要の東シナ海を担当する東部戦区には、台湾空軍(約400機)と同等以上の航空戦力が配備され、米国のF15などに匹敵し戦闘の主力となる「第4世代機」は約300機と思われる。

 日本は那覇基地にF15を約40機配備しており、九州の基地から空中給油によってさらに20機ほど、計約60機が出せそうだ。早期警戒機の能力や電子技術では日本側が優位としても、5対1の劣勢を補えるかは疑問だ。航空優勢(制空権)が相手にあれば、輸送艦やオスプレイなどは容易な標的となり、水陸機動団は海上で全滅しかねない。仮に自衛隊が尖閣に上陸できても、補給が遮断されれば餓死か降伏だ。もし自衛隊が勝ったとしても、それは真珠湾攻撃で対米戦争が始まったと同様、日中戦争の第一幕にすぎない。

 米中の対立は今後も続くとしても、98基のICBMを持つ中国と米国が全面戦争になれば米中は共倒れ、日本も惨禍を免れない。安倍首相の後任者は、前首相が唱えた「戦略的互恵関係」の継承につとめることが得策と思われる。

AERA 2020年9月14日号


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