生徒は無地の子ども用マスクを付けて、毎日学校へ通います(写真/本人提供)
生徒は無地の子ども用マスクを付けて、毎日学校へ通います(写真/本人提供)

 8月17日月曜日。アラバマ州北部では、例年より2週間遅れで新学期がスタートしました。いつもなら、子どもたちが期待と不安で小さい胸をいっぱいにしながら新しいクラスへ足を踏み入れる、特別な季節です。でも、今年は様子がまったく違いました。公立校は、今のところ9週間は完全バーチャル授業。私立校は完全バーチャルか完全登校かの選択制で、州内では20~40%の生徒がバーチャルを選択しているそうです。

 我が家では迷った末に4歳の娘を完全登校させることにしたのですが、その理由のひとつは学校側から約1カ月にわたって感染対策についての説明を書面と動画で受け、これだけしてくれるなら大丈夫ではなかろうかと判断したからです。その対策とは、以下の10点です。

1、ドライブスルー送迎
 生徒の送り迎えは、スクールバスではなく自家用車で行われます。保護者は校舎の横へ一列に車を停め、先生が直接車に生徒を出迎え・見送りに来てくれるまで待機。生徒間の接触が減り、保護者間の接触はゼロです。

2、毎朝の検温
 毎朝、車中で保護者と生徒が検温を受け、平熱通りだったら登校が許されます。

3、教室でのソーシャルディスタンシング
 生徒の机の間には、6フィート(約1.8メートル)のソーシャルディスタンシングが保たれています。始業前に教室を見学に行きましたが、少人数制だからこそできる対策だなと感じました。私立校の4歳児クラスはもともと生徒数が少ないうえ、バーチャル選択者がいるためさらに人数が減っているのです。

4、給食は各自の机で
 そのようにして距離を保った机で、おやつと給食を食べることになっています。例年なら給食は全校生徒が時間差でカフェテリアに集まって食べるのですが、それを教室の机ですることで生徒間の接触を減らせるとのことです。

5、1日2回の外遊び時間
 1日1回だった外遊びを2回に増やし、室内での密集を極力避けているそうです。

6、こまめに洗浄・除菌
 机やドア、学校の備品などは1日に何度も除菌シートで拭き取っているそう。保護者には、除菌シートを持ち寄るよう指示がありました。

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大井美紗子

大井美紗子

大井美紗子(おおい・みさこ)/ライター・翻訳業。1986年長野県生まれ。大阪大学文学部英米文学・英語学専攻卒業後、書籍編集者を経てフリーに。アメリカで約5年暮らし、最近、日本に帰国。娘、息子、夫と東京在住。ツイッター:@misakohi

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