一方、倍率が2倍超程度と意外にも低めなのは上智の公募制推薦入試。評定平均が基準をクリアし、英検なら概ね2級、学科によって準1級といった出願資格を満たしていればよく、同大を目指す生徒には狙い目だ。

「異文化コミュニケーション学部と経営学部への注目度が上がっている。プログラムが充実していることを受験生や高校、専門塾の先生たちがよく研究しているからではないか」。そう話すのは立教大学入学センター入試広報担当課長の和田務さん。同大は今年度、AO推薦の応募が3割以上も伸びた。AO推薦で入ってくる学生はとがった個性を持ち、英語力も高く入学後の伸びが大きいとして学内でも高評価だという。

 かつて「一発芸的な入試」と異端視されたAO入試はいまや、優秀な学生を獲得するためにはなくてはならない手段となった。国公立・私立ともに難関大では今後、その工夫を競い合う構図が強まりそうだ。(編集部・福井しほ、石臥薫子)

AERA 2020年5月25日号より抜粋

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福井しほ

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大阪生まれ、大阪育ち。

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