厚い胸板があってもかわいいワンピを着たい! 「目の錯覚」利用しジェンダー観変える洋服  (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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厚い胸板があってもかわいいワンピを着たい! 「目の錯覚」利用しジェンダー観変える洋服 

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大越裕AERA
東大安田講堂で一昨年開催され、1500人の観衆を集めた「ファッションポジウム」。男性モデルが智世さんデザインのワンピースを着こなす(撮影/山岸悠太郎)

東大安田講堂で一昨年開催され、1500人の観衆を集めた「ファッションポジウム」。男性モデルが智世さんデザインのワンピースを着こなす(撮影/山岸悠太郎)

ブローレンヂ・ともよ/1986年、長崎県生まれ。アパレルブランド「ブローレンヂ」のデザイナー兼代表を務める。著書に『ワンピースで世界を変える!』がある(撮影/山嵜明洋)

ブローレンヂ・ともよ/1986年、長崎県生まれ。アパレルブランド「ブローレンヂ」のデザイナー兼代表を務める。著書に『ワンピースで世界を変える!』がある(撮影/山嵜明洋)

 厚い胸板や肩幅を目立たせず、かわいいワンピースを着たい。そんな思いを抱く男性のためのニッチ市場に挑むデザイナーがいる。目指すのはファッションによる「男らしさ」からの解放だ。AERA 2020年5月18日号掲載の記事を紹介する。

【ブローレンヂ智世さんの写真はこちら】

*  *  *
「国会の黒いスーツを着たオジサンたちが、可愛いワンピースやスカートを着るようになれば、世の中が変わると思うんです」

 笑いながら、しかし本気でこう語るのは、ブローレンヂ智世さん(34、本名:松村智世)だ。男性の体形でもかわいく着られるファッションブランド「ブローレンヂ」の代表である。

 智世さんは高校卒業後、大阪の紳士服店の店員、ホステス、事務職などを経て23歳で結婚。25歳のときに社会人入試で関西大学に入学。そこで心理学を学び、「目の錯覚である錯視をファッションに取り入れれば、ガッチリした肩幅を目立たなくしたり、足を長く見せたりできる」と考えたのが起業のきっかけだ。

 ファッションが好きで手作業も得意だったが、服作りは素人。専門学校の社会人講座に約半年通って基礎を学び、自宅のミシンで一から服を作り始めた。

 幼い頃から女の子らしくしなさい、と言われることに違和感を覚えていた。アパレル店員だったとき、ときどき男性が女性もののブラウスやスカートを試着して、「サイズが合わへんかった」と悲しそうな顔をしていたことを思い出した。

 そこでツイッターでいわゆる女性の装いを好む男性にリサーチ。彼らは皆、サイズの大きなレディースの既製服を着ていたが、男女の骨格の違いから肩幅がきつい、腰の位置が合わないという不満を持っていた。メンズサイズでも着られるかわいいデザインの服を作ろう、そう決めて縫製を頼む工場を探し、100社近くに断られた末、ようやく引き受けてくれる会社を見つけた。

 企画書を書き、日本政策金融公庫から事業資金として300万円の融資も得た。聞くと、公庫の担当の女性にはトランスジェンダーの親戚がいるという。


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