開発進むコロナワクチンに重症化懸念 次の一手は「水際でブロック」日本発の新技術 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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開発進むコロナワクチンに重症化懸念 次の一手は「水際でブロック」日本発の新技術

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渡辺豪AERA#新型コロナウイルス
電子顕微鏡で見た新型コロナウイルス/米国立アレルギー・感染症研究所提供

電子顕微鏡で見た新型コロナウイルス/米国立アレルギー・感染症研究所提供

AERA 2020年5月18日号より

AERA 2020年5月18日号より

【大阪市立大学大学院教授】植松 智さん(48)/大阪市立大学医学部卒。大阪大学助教、特任准教授、東京大学医科学研究所特任教授、千葉大学教授などを経て、2018年から現職(写真:本人提供)

【大阪市立大学大学院教授】植松 智さん(48)/大阪市立大学医学部卒。大阪大学助教、特任准教授、東京大学医科学研究所特任教授、千葉大学教授などを経て、2018年から現職(写真:本人提供)

 新型コロナ対策のワクチン開発が世界で進むが、それらには重大な懸念があるという。免疫の仕組みを知ることで危険性を読み解き、全く新しい日本発のワクチン技術について取材した。AERA 2020年5月18日号で最新知見を身につけて長期戦に備えよう。

【植松智さんらが開発したワクチン新技術はこちら】

*  *  *
 俳優の岡江久美子さんが新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなった際、所属事務所は「乳がん手術の後、放射線治療によって免疫力が低下していたのが重症化した原因と思われる」と発表した。日本放射線腫瘍学会は4月25日「一般的な放射線治療では免疫力が大きく低下するようなことはほとんどない」と声明を出したが、免疫が新型コロナから命を守るカギであることを改めて印象づけた。

 免疫はちょっとした風邪から新型コロナまで、私たちの体をウイルスなどの病原体から守ってくれる仕組みだ。

 ウイルスはまず、鼻や口などの粘膜に付着する。そこから喉の奥の粘膜までウイルスが増殖することで、鼻づまりやくしゃみ、喉の痛みなどが表れる。これが上気道感染症、いわゆる「風邪」だ。基礎疾患などがなく通常の体力を維持できていれば自然に治癒し、たいていは1週間以内で回復する。しかし、肺に近い気管や気管支にまでウイルスが増殖すると咳などが長引く気管支炎になり、「風邪をこじらせた」状態になる。これが下気道感染症だ。

 さらに、ウイルスが肺に至ると肺炎を引き起こし、命にかかわる事態になる。新型コロナで重症化するのも肺炎による呼吸困難に陥るためだ。

 免疫研究の世界的権威、大阪大学特任教授の坂口志文さんは、一般の風邪と新型コロナの差はウイルスの種類が違うだけだと説明する。

「常時喉などにいるウイルスが人体の抵抗力が落ちたときに悪さをするのが一般の風邪です。新型コロナなど我々が免疫を持たない未知のウイルスが入ってくるとよりシリアスな症状を引き起こします。ただ、免疫はやがてウイルスに対応し、抵抗力が強化されます」

 抵抗力がつく前にウイルスが増殖し、重度の肺炎で亡くなる人が相次いでいるのが新型コロナの現状だ。生死を分けるといっても過言ではない免疫。まずは仕組みを理解しておきたい。

「免疫とは、私たちに備わる生体防御機構です。侵入してくる病原体を異物として認識し、排除します」

 こう解説するのは大阪市立大学大学院教授の植松智さん(ゲノム免疫学)だ。


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