現在、キャンプのほとんどが閉鎖していて、国連もNGOもアクセスが制限されています。軟禁状態で、元々メンタルヘルスがギリギリの状態のところにフラストレーションがたまり、暴動が起き始めています。まだ小競り合い程度のようですが、ひどくなると政府の職員への暴行や、放火などが起きます。

 私は難民の教育支援を担当しているので、学校が封鎖された今、何とか教育を途切れさせないように、遠隔で授業を展開しています。親が持っているスマートフォン経由で、宿題用のファイルを送ったり、ポッドキャストで音声だけのレッスンを受けたりできるよう、仕組みを作っているところです。

 難民キャンプへの直接の支援は難しいかもしれません。ただ、自分のことだけではなく、たとえば近所にお年寄りがいたらちょっと気にかける、自分の周りにいる誰かのために動く、そういう姿勢が支援の第一歩になるのではないでしょうか。

(構成/編集部・大川恵実)

AERA 2020年5月4日-11日号