新興国に分類されるのはブラジル、ロシア、インド、中国、韓国、台湾、メキシコなど、今後の経済成長への期待や高金利が魅力の国々だ。

「最近は米中貿易戦争や新型コロナウイルスなどの影響もあり、成長に一時的な陰りが見えます。先進国に比べて、経済が好調なときには高いパフォーマンスが見込めますが、金融不安に陥ると暴落しやすいのも新興国の特徴です。そこで、『先進国株式』のインデックスファンドで安定した収益を狙いつつ、値動きは激しくても大きな収益が狙えそうな『新興国株式』のインデックスファンドも少し買う、というスタイルはどうでしょう」

 投資信託の中には不動産に投資する「REIT」もある。REITとは、多くの不動産をひとまとめにして証券化したもの。

「ある意味、株と債券の中間的な存在の金融商品がREITです。賃料収入を元にした、安定の利回りを期待できます。低金利で運用成績がおとなしい国内債券の代わりに、REITのインデックスファンドを買うというのも一つの考え方でしょう」

(取材・文/木村慎一郎、伊藤忍)

※アエラ増刊『AERA Money 今さら聞けない 貯金の基本』の記事に加筆・再構成