【JR東日本】高輪ゲートウェイ駅/ホーム上部の吹き抜けで、駅と街が一体的に感じられる「エキマチ一体」の空間を実現(写真:各社提供)
【JR東日本】高輪ゲートウェイ駅/ホーム上部の吹き抜けで、駅と街が一体的に感じられる「エキマチ一体」の空間を実現(写真:各社提供)

 今年も3月14日、鉄道の「ダイヤ改定」がやってきた。今年は新幹線、在来線ともに大きな変化があるようだ。AERA 2020年3月16日号では、今年のダイヤ改定の注目すべきポイントに迫った。

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 今年のダイヤ改定では、新駅誕生も大きな話題となっている。山手線・京浜東北線の田町─品川間に開業する「高輪ゲートウェイ駅」だ。

 駅名を巡ってはすったもんだがあった。JR東日本は駅名を一般公募を参考に決めたが、6万件超の応募のうち「高輪ゲートウェイ」はわずか36件で130位。そのためネットでは「公募した意味がない」「ダサすぎ」といった批判の声があふれ、エッセイストの能町みね子さんらによる「駅名撤回」の署名運動まで起きた。

 それはともかく、山手線では71年の西日暮里駅開業以来、およそ50年ぶり30番目の駅となる。地域住民にとって利便性がアップするだけでなく、羽田空港にも近い品川エリアなだけに、ビジネスや商業のハブとなることも期待されている。

 日本の大動脈である東海道新幹線も、関係者の間で「03年の品川駅開業以来」と言われる変革を遂げる。「のぞみ」のダイヤが、これまでの1時間あたり10本から12本へと増強されるのだ。鉄道ジャーナリストの松本典久さん(64)は言う。

「1時間に12本はそれこそ首都圏の通勤電車と大差ない。輸送力としては1.2倍だが、それ以上にさらに利用しやすくなったといえるでしょう」

 JR東海はこう説明する。

「これまで金曜の夕方や連休初日の午前中などは混雑し、指定席が乗車直前には取りづらい状況が発生していた。お客様へのサービス向上のため、よりニーズにお応えするダイヤにすることを考えていました」

 ダイヤ改定でひかりとこだま(計5本)に変更はなく、全て合わせると1時間に最大で17本の新幹線が走り、単純計算で3分強間隔での運行になる。これは、山手線の運転間隔とほぼ同じ。この「超過密ダイヤ」を可能にしたのは、「細かい改善の積み重ね」(JR東海)だ。

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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