その集大成が、中2の文化祭で発表する歴史劇だ。史実を調べて脚本を書き、舞台装置や小道具も手作りして全校生徒の前で演じる。

 鈴木恭子校長はこう話す。

「本校では授業のなかで発表、質疑応答、討論を意識して取り入れており、特に教科横断型は表現を重視しています」

 高校では100分授業を実践。発表や質疑応答、討論中心の授業だと50分では足りないという。神奈川県が掲げている「かながわ次世代教養」には、研究論文として取り組む。中学生は1年から3年まで決められたテーマに取り組み、高校になると自分でテーマを決める。高3次に代表者が全校生徒の前で研究を発表。過去には「戦後道徳教育の変遷」「数学の試験問題の理想形」などが選ばれた。

 数学科の大河原広行副校長は「大学の入試などさまざまな数学の問題を調べて、自分で問題をつくり出していた。よく練られていて、数学科の教師たちも唸りました」と絶賛する。(ライター・柿崎明子)

AERA 2020年1月27日号より抜粋

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