スマホ決済の落とし穴 遺族が気づかず資産損失も…専門家に聞いた自衛策 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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スマホ決済の落とし穴 遺族が気づかず資産損失も…専門家に聞いた自衛策

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深澤友紀AERA
亡くなった後も、アカウントを停止しない限り届き続けるメッセージ。だが、遺族が故人のメールやLINEのアカウントにアクセスするのは難しい(撮影/写真部・高野楓菜)

亡くなった後も、アカウントを停止しない限り届き続けるメッセージ。だが、遺族が故人のメールやLINEのアカウントにアクセスするのは難しい(撮影/写真部・高野楓菜)

スマホのパスワードをメモにして残しておく。数秒間で終わるこの行為が、遺族をトラブルから救う(撮影/編集部・深澤友紀)

スマホのパスワードをメモにして残しておく。数秒間で終わるこの行為が、遺族をトラブルから救う(撮影/編集部・深澤友紀)

 遺影にと用意していた写真や親しい友人の連絡先、ネット銀行の残高。スマートフォンやパソコン内の「財産」を家族に引き継ぐための準備も欠かせない。AERA 2019年12月30日-2020年1月6日合併号では、デジタル時代の自衛策を紹介する。

【写真】トラブル防止? パスワードを書いたメモには修正テープがおすすめ

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 スマホを手にしたら、自分の全てがそこに集約されると言っても過言ではない。交友関係やスケジュール、趣味嗜好(しこう)や本音、買い物履歴などの情報が詰まっていて、自分の「分身」のようだ。

 情報インフラの構築・運営会社プラネットが2019年6~7月に実施したネット調査(1098人が回答)では、「自分の死後、スマホやパソコンをどうしてほしいか」の問いに、「中を見ずにデータ消去、または処分してほしい」という人が50.9%で、「とりあえず中を確認してほしい」(19.6%)や「処分せず、引き継いでほしい」(5.4%)を大幅に上回った。

 死後も中身を見られたくない人が半数以上なら、ロック解除のパスワードを誰にも知らせていない人も多いのではないか。それがトラブルの源となる。

 まず、本人が気に入っていた写真を遺影に使いたくても取りだせない。生前親しかった人を葬儀に呼びたくても、連絡先はロックのかかったスマホの中だ。

 日本デジタル終活協会代表理事で弁護士の伊勢田篤史さんによると、スマホのパスワードのロック解除の相場は約20万~30万円だが、セキュリティーが強化されていて技術的に難しく、成功するとも限らない。結局、連絡先が分からず家族葬にするケースも増えているという。

 オンライン上で契約しているネット銀行やネット証券などもトラブルに発展するリスクがある。FX取引では、死後に相場が大幅に変動し、遺族に約100万円の追加証拠金の請求がされた事例や、ネット銀行の存在を遺族が知らずにあとで発覚してトラブルになることもある。

 インターネット上に残っている故人のブログなどを、遺族が削除してほしいと要望しても、遺族がIDやパスワードを把握していない場合は本当に故人のものか証明が難しく、対応してもらえない場合もある。

「デジタル遺品は法制度が未整備で業界の自主規制もない。法的な担保や業界ルールもなく、トラブルが発生しても救済の手立てが存在しないのです」(伊勢田さん)

急速に利用者が増えているスマホ決済も要注意だ。地方自治体の支払いなどでも利用され始め、10月に消費税率が10%に引き上げられ、キャッシュレス支払いで最大5%が還元されることもあり、スマホ初心者や高齢者にも利用が広がっている。


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