山中伸弥所長、研究の道に進んだのは「手術の才能がないと感じ…」 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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山中伸弥所長、研究の道に進んだのは「手術の才能がないと感じ…」

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この日が初対面の山中所長(右)と田中総長。研究者でありスポーツマンでもあるという共通点で話が弾んだ(撮影/写真部・東川哲也)

この日が初対面の山中所長(右)と田中総長。研究者でありスポーツマンでもあるという共通点で話が弾んだ(撮影/写真部・東川哲也)

京都大学iPS細胞研究所所長 山中伸弥さん(57、右):1962年、大阪府生まれ。神戸大学医学部卒業、大阪市立大学大学院医学研究科修了(医学博士)。米国グラッドストーン研究所上席研究員。2012年、ノーベル医学生理学賞受賞/早稲田大学総長 田中愛治さん(67):1951年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、米オハイオ州立大学大学院修了、政治学博士(Ph.D.)。世界政治学会(IPSA)元会長。2018年から早稲田大学第17代総長。専門は投票行動論・計量政治学(撮影/写真部・東川哲也)

京都大学iPS細胞研究所所長 山中伸弥さん(57、右):1962年、大阪府生まれ。神戸大学医学部卒業、大阪市立大学大学院医学研究科修了(医学博士)。米国グラッドストーン研究所上席研究員。2012年、ノーベル医学生理学賞受賞/早稲田大学総長 田中愛治さん(67):1951年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、米オハイオ州立大学大学院修了、政治学博士(Ph.D.)。世界政治学会(IPSA)元会長。2018年から早稲田大学第17代総長。専門は投票行動論・計量政治学(撮影/写真部・東川哲也)

田中:そして失敗を恐れないことも大事ですね。早稲田の創立者、大隈重信は、失敗を糧にしてほしいということを学生に言いました。今日なら、仮説がうまくいかなければ、ゼロからまたやる。粘り強く頑張ること、自分の関心を追うことが大事です。山中先生は柔道やラグビーをやっておられましたが、私も学生時代は空手部でした。私は最近、スポーツは仮説検証だと思っているんです。試合でも相手や天候で条件は変わる。その中でチームや自分が成功するために、自分で仮説を立てて取り組む。仮説検証と失敗してもあきらめない、それがスポーツの大事なところだと思っています。

山中:それは研究も同じです。もちろん過去の研究から学ぶことは大切ですが、必ずしも過去の理論通りにやるべきかというとそうではない。過去を踏襲していると大きな失敗はしないですが、それよりたとえ失敗したとしても、それに学んだ上で調整できるようになるかどうかが大きい。スポーツと一緒です。

田中:そうですね。

山中:早稲田が強いラグビーでいうと、2015年W杯イングランド大会で、日本代表が南アフリカに勝った試合では、試合終了間際3点差で負けていて、これは実力差を考えると間違いなくペナルティーゴールで同点引き分けを狙うでしょう。それでも素晴らしい結果です。ただその時の選手は同点ではなく、一発逆転を狙った。そして結果的に逆転できた。もしそれが失敗していても、そこでチャレンジした経験や精神はすごい糧になる。セオリーを無視してよいわけではないですが、十分わかった上であえてチャレンジできるかどうか。そういうチームは強くなるし、研究もそういう場面で鍛えられます。

田中:社会全体がそうあるべきですね。若い人が努力して経験を積んで、チャレンジをする。そういう気持ちがあるなら、試させた方がいい。

(構成/編集部・小柳暁子)

AERA 2019年10月21日号より抜粋


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