子育てしながら働く場合は、急な呼び出しなど不測の事態への対応が大事だ(写真/gettyimages)
子育てしながら働く場合は、急な呼び出しなど不測の事態への対応が大事だ(写真/gettyimages)

 来年4月の保育園入園に向けて、入園申し込みをしている方が多い時期です。妊娠、出産をすることで、女性の働く環境はガラリと変わります。これまでは自分が元気なら働くことができましたが、赤ちゃんがいるとそれだけでは働けないこともあります。私自身も、子どもが生まれてからずっと子育てしながら働いてきた母親の一人。そして、保育士として働くお母さんたちを見守ってきた一人です。今回は、仕事復帰を希望しているお母さんへ、保育現場でお母さんたちを見ていて感じた、働く前に準備しておきたいことを話します。

●仕事の内容を確認する

 どのような仕事でも、仕事と育児が両立できるか、を考えなければいけません。保育園があいているいる時間に送り迎えができるのか、もし残業になった時はどうするか、土日祝日の出勤はあるのか、復帰に当たって気になることを忘れないようにメモしておきましょう。

◇元の職場に復帰する場合

 産休、育休で元の職場に復帰するなら、今の職場の状況を確認しましょう。復帰後の自分の働く条件を上司と相談します。例えば、復帰前と同じようにフルタイムで働くのか、時短にするなら子どもが何歳までできるのか、残業が少ない部署に異動することはできるのか、出勤できないときは自宅で仕事ができないかなど、育児と仕事を両立できるように、自分の希望を伝え話し合います。

◇これから仕事を探す場合

 時間、場所、仕事内容、年齢などの条件を調べるのはもちろんですが、「何を重視して仕事を選ぶか」がポイントです。保育園のお母さん方を見ていると、ポイントは以下のようなものがあります。

・短時間の仕事
赤ちゃんが大きくなるまでは、1日3~4時間で週4日。仕事しながら赤ちゃんとの時間も持ちたいことを重視しています。週に働く日数や時間数で保育所に預けられる条件が変わりますので、時間数を決めるときは注意しましょう。

・家に近い仕事
家、保育園から近く、徒歩や自転車で通えることを重視しています。

・フルタイムの仕事
将来のことを考えて、今のうちに正社員で再就職することを重視しています。

・資格やキャリアを生かした仕事
出産前から持っている資格やキャリアを生かすことを重視しています。

 元の職場に復帰する場合も、これから仕事を探す場合も、職場の「乳児がいる」ことへの理解があるかは大切なポイントになります。

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中田馨

中田馨

なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

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