お料理の失敗は、時に別の美味しいお料理を創作することがあります。


たとえば卵がうまく割れなくて何回も失敗してしまったら、大きなオムライスを作ればいいし、クッキーの型抜きが上手にできなかったら、丸めるだけだってOK。丸めたのを二つ重ねたら、型では作れなかった雪だるまクッキーに変身したりもします。

 もちろん、失敗をリカバリーするには、ちょっとした料理の知識も必要です。料理に慣れている親御さんなら、パッと機転を利かせられても、慣れない人には難しいかもしれません。甘さの足りないケーキができたり、上手く固まらないプリンになったりすることもあるかもしれません。そんなときも否定はせず、「ちょっと味が足りないけど、楽しかったね」「次はこうしてみようか?」と、前向き捉えてみましょう。

 人生に失敗はつきものです。失敗を恐れずに挑戦し、たとえ失敗しても次につなげる、という気持ちを持ってくれたら、親としては心強いものです。

 私も小さな頃から母に「失敗しても気にしない。これをどう活かす?」と言われて育ちました。この考え方のお陰でどれだけ人生が楽になったか。とても感謝しています。

「失敗を怖がる必要ないよ、失敗したって全然大丈夫だよ。」私はこのことを何百回でも子どもに伝えて、その意味を心の底から理解して欲しいと願っています。(文/武田昌美)

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武田昌美

武田昌美

武田昌美(たけだ・まさみ)/リトルシェフクッキング株式会社代表取締役、子ども料理研究家。料理を通じて子どもの才能を開花させ、挑戦する勇気・失敗への前向きな姿勢を養うことを目的とする料理教室「リトルシェフクッキング」を経営。2歳から19歳まで、のべ2000人以上の子どもに料理の楽しさを教えている。https://little-chef-cooking.com

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