「不登校は必要な時間だった」 経験者が苦しむ子どもたちへメッセージ

深澤友紀AERA#AERAオンライン限定
 夏休みが終わりに近づいた8月25日、東京都町田市で不登校の経験者たちが登壇するパネルディスカッションが開かれた。不登校の子を持つ親や学校の教員、教育関係者ら約50人の参加者が集まり、登壇者たちは、新学期を迎えるにあたり、苦しんでいる子どもたちへ「学校へ行かなくても人生終わりではない。不登校でも大丈夫」とメッセージを送り、家族など周囲にいる大人に向けては「新学期が始まるからといって何かが劇的に変わるわけではない。学校に行かないお子さんを否定しないでありのまま受け止めてあげてほしい」と訴えた。

「不登校を選択した私たちが伝えたい多様な教育の話」と題したイベントを主催したのは、不登校の子どもたちに家庭や学校以外の第三の居場所づくりを行う「寄り添いを考える会」。代表の広田悠大さん(24)も不登校の経験者だ。中学校でいじめにより不登校になったとき、桜美林大学が実施していた、教授や大学生から勉強を教わる週1回の不登校生支援に通い、自分も同じ境遇の子を支援したいと桜美林大学に入学。卒業後の現在はNPO法人で働きながら、会を立ち上げ、社会福祉士の資格取得を目指して通信制の星槎大学に在籍している。

 イベントの冒頭、広田さんは、参加者に語りかけた。

「このデータを見たことがありますか」

 パラパラと手が挙がる。広田さんが示したのは、国の調査による1972~2013年の42年間で自殺した18歳以下の子どものグラフだ。365日別でみると9月1日は131人ともっとも多い。

「9月1日と4月上旬に集中し、新学期が始まるタイミングと重なっているんです。この42年間で、9月1日前後に300人以上の子どもたちが自ら命を絶っています。もちろんその背景にはさまざまな要因が考えられます。しかし新学期のタイミングでの自殺は学校が大きな要因です。今日は自分たちの不登校体験を聞いてもらい、不登校であっても決してそれ自体が悪い事ではなく、場合によっては選択していいということを知ってもらいたいと思いました」

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不登校の理由は…

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