──ただ、比例ではそのような目玉候補が多数落選し、労働組合系の候補者が当選しています。

 ここは反省点です。衆院選では投票用紙に政党名を書きますが、参議院選挙では政党名または個人名を書いてもらわなければならない。組合など特定の組織を持たない個人にとっては不利なのは当然で、そのための具体的な知恵がなかった。意識して比例候補者を前に出す、選挙区の候補者と並んで演説させる、党幹部の遊説に同行するなど、かつては組合に遠慮してできなかったことも、今回は割り切ってやったつもりでした。しかし、議席には結びつかなかった。反省していますが、正直、答えは見いだせていません。

──衆院選で枝野さんと立憲民主党に吹いた風が、今回は山本太郎さんとれいわ新選組に吹いたようにも見えます。

 風頼みの選挙をしない以上、他に「風」を受ける政党があれば、そっちに行く人がいるのは当然だと思います。その意味では、わが党に代わってれいわ新選組がその風を受け止め、野党のパイを広げていただいたとポジティブに受け止めています。

──「風を頼まない」という話ですが、衆院選では枝野さん自身が発生源となって風を「吹かせた」ように感じます。今回はアピール不足では。

 永田町において「風」という言葉は多義的に使います。私が言っている「風頼みをしない」とは、一過性のブームを起こそうとしても仕方がないということです。あの時、「枝野立て」と期待して風を起こしてくださった方々に、立憲民主党は地道に応えてくれているんだな、と思っていただけるようにしないといけない。その意味では、衆院選でいただいた支持の8割は参院選でもキープしているんです。あとは、野党第1党としてしっかりと与党を監視し、政府の問題点をしっかり追及する。野党第1党としての仕事を果たした結果、有権者から「その通りだ」と支持が増える。その時に初めて「風を吹かせる」ことができるのだと思います。最初から風頼みでは有権者から見透かされますよ。

──参院選での野党共闘はどう評価していますか。

 立憲民主党は野党共闘の中心的な役割を担ってきました。今回は全国に32ある1人区すべてで野党共闘が実現し、結果10議席を獲得しました。今回は現職との一騎打ちが多かったにもかかわらず、前回とほぼ変わらない結果を得ることができた、一定の満足はしています。その意味では、野党共闘は進化したと言えます。ただ、直前の統一地方選挙は痛かったですね。同じ時期に、こっちでは戦いながら、こっちでは手を結ぶ話をしなければなりませんでしたから。

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