藤原竜也、蜷川実花監督作品出演に「言葉にするのは難しい」と語った真意 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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藤原竜也、蜷川実花監督作品出演に「言葉にするのは難しい」と語った真意

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古谷ゆう子AERA

 最新映画「Diner ダイナー」で主演した俳優、藤原竜也さんがAERAに登場。蜷川幸雄さんに見出され、舞台デビューして20年。氏の娘でもある、蜷川実花監督作品出演への想いを聞いた。

*  *  *
 撮影場所に現れた藤原竜也(37)の顔が少しだけ緩み、白い歯をのぞかせた。目線の先にいたのは、本誌の表紙フォトグラファー、蜷川実花。

「お久しぶりです。いま撮影で忙しい時期ですよね」

 敬語を崩すことなく、近況報告に花を咲かせる。演技未経験だった藤原竜也が蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸」の主演に抜擢されたのは、15歳のとき。当時、そのニュースは日本中を駆け巡り、人々の記憶の深いところに刻まれた。それから20年余り。映画やドラマでも、唯一無二の存在感を放ち、今度は娘である蜷川実花の長編映画「Diner ダイナー」で主演を務めた。監督と主演俳優として仕事をするのは、初めてのことだ。

「言ってみれば、実花さんは僕の芝居をずっと観てくれていた人。感慨深いというか、ちょっと言葉にするのは難しい感じがありますね」

 一筋縄ではいかない脚本だった。演じるのは、元殺し屋のシェフ。感情の起伏が少ない役のため、なかなか掴めない。脚本を読めば読むほどわからなくなったという。

「何パターンか撮っていって、色々な方向性を試して。本当に実花さんの言いなりですよ(笑)」

 努力の跡を事細かに口にすることなく、少年のような笑顔でそう語る。

 取材中、蜷川幸雄に怒られた話を、席を立ちユーモアたっぷりに口にしては、その場にいたスタッフ全員を笑わせた。

「Diner ダイナー」の舞台挨拶では、常にマイクを持つ共演者の方に体を向け、話を聞く姿が印象的だった。「僕たちも宣伝活動を頑張って盛り上げていくので」と、観客に向かって真っすぐな瞳で言う。

 狂気に憑かれた役を多く演じてきた藤原竜也の素顔は、自分の置かれた立場を俯瞰し、常に周囲に気を配る“気遣いの人”に見えた。(ライター・古谷ゆう子)

AERA 2019年7月8日号


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