「コンビニ百里の道をゆく」は、49歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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2020年東京オリンピックの観戦チケットの抽選結果が6月20日、発表されました。今はテレビもネットもある時代で、チケット代も決して安くないのに、申し込みは殺到。やはり世紀の大イベントなのだと改めて感じました。
前回の東京オリンピック・パラリンピックは1964年。終戦から開催までの19年間で、日本は大きく変わりました。子どもたちが遊んでいた路地裏は舗装され、高速道路が走り、東京タワーも建ちました。まさに「三丁目の夕日」。そして50年後の今を思うと、サザンオールスターズの「栄光の男」が頭に流れます。「♪ビルは天にそびえ/線路は地下を巡り/現代(いま)この時代こそ『未来(とき)』と呼ぶのだろう」という街並みの変化を描いた歌詞に「確かにそうだ!」と共感しました。
オリ・パラがくるということは、再び日本が未来都市に近づくということだと感じています。50年後の東京は、当たり前のようにドローンやバイクが空を飛んでいるのかも……なんて考えを巡らせてみますが、私たちが想像できることは、あと5~10年もすれば実現してしまうのかもしれません。
超一流アスリートが世界中から集まり、1カ月半、真剣勝負を繰り広げる。海外からもたくさんの人が訪れるでしょう。公共交通機関や物流の混雑が予想されるので、テレワーク(在宅勤務)のトライアルや商品の物流対策など準備を始めています。
一方、オリ・パラは海外の方に日本を知っていただくチャンスです。「日本のコンビニには何でもある!」と思ってくださっている方も多いですから、期待を裏切らないようにしたい。人手不足のなか、ロボットなど日本ならではの技術の導入もできたら面白いかもしれません。
私自身、初めてのオリ・パラ。今から楽しみで仕方がありません。
※AERA 2019年7月1日号