陛下が晩餐会で、大阪万博で見た「月の石」などを語った点にも注目した。プライベートを語ることをためらわない姿勢で、歌会始愛子さまのことを詠み続けた雅子さまにも通じるという。大正天皇研究の第一人者として、原さんはこう語った。

「大正天皇は葉山や日光の御用邸で1、2カ月も滞在し、ヨットや馬に乗るなど、プライベートを重視しました。令和が大正みたいになると、平成との違いがはっきりしてきます」

 ただし、新しい道を進もうとすれば、バッシングも起こりやすい。「意図を理解してもらうためにも、肉声で国民に語りかけるべき」と、雅子さまの記者会見復活を提案する。

 雅子さまの思いを雅子さまの口から聞く。待ち望んでいる国民は多いはずだ。(コラムニスト・矢部万紀子

AERA 2019年6月10日号より抜粋

著者プロフィールを見る
矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

矢部万紀子の記事一覧はこちら