皇室用「お召し列車」時代とともに変わる役割…令和ではどうなる? (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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皇室用「お召し列車」時代とともに変わる役割…令和ではどうなる?

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野村昌二AERA#皇室#鉄道
東北線を走るE655系「なごみ(和)」。豪華列車が次々と誕生するが、優雅なこの姿から今なお、人気の的となっている(撮影/写真部・大野洋介)

東北線を走るE655系「なごみ(和)」。豪華列車が次々と誕生するが、優雅なこの姿から今なお、人気の的となっている(撮影/写真部・大野洋介)

 皇室とともに日本を駆け抜けた「お召し列車」。その歴史は、明治の鉄道開業までさかのぼる。明治から大正、昭和、平成、そして令和へ──。その役割は、少しずつ変わってきた。

【写真特集】天皇と時代 駆け抜けた「お召し列車」

*  *  *
 午前9時30分過ぎ。JR上野駅(東京都)の13番ホームに、ひときわオーラを放つ列車が入線してきた。JR東日本のE655系、愛称「なごみ(和)」だ。

「わあー」

 ホームで待っていた乗客たちは歓声を上げ、一斉にスマートフォンのカメラを向けた。

 磨き上げられた車体は、日本古来の漆塗りの技法を用い、歴代のお召し列車の伝統でもあるこげ茶色。しかも、光の反射具合で色合いが変化する「マジョーラ塗装」が施されている。

 このE655系、天皇や皇后、および皇太后が乗車する「お召し列車」だ。皇室用列車としての“生”を受けているが、実は、団体専用列車として一般客も利用できる。皇室専用の客車「特別車両」(1両)を除き、随行する側近や関係者らが乗る「ハイグレード車両」(5両)を臨時専用列車などとして、一般向けに運行しているのだ。

 平成も残りわずかとなった4月中旬、記者は「ハイグレード車両E655系『なごみ(和)』で行く 福島の名桜観賞」のツアーに参加した。

 JR東日本のグループ会社「びゅうトラベルサービス」が企画した日帰りツアーで、上野駅からJR郡山駅(福島県)までE655系で行き、バスに乗り換え、日本三大桜の一つの三春滝桜(福島県三春町)と、「福島の桃源郷」として知られる花見山公園(福島市)を巡り、帰路は東北新幹線を使う。価格は1人3万4千円。日帰りツアーとしては高額だが、お召し列車に乗れると考えればお手頃にも思える。旅行会社によれば、団体での「なごみ」の運行は年に数回と少ないこともあり、毎回予約が殺到するという。

 特別車両ではないとはいえ、さすがはハイグレード車両。床にはカーペットが敷かれ、内装は木目調で統一。タッチパネル式のモニターが備えられたシートは電動リクライニングと、車内は極めて豪華だ。

 広めの幅のシートに深く座り、静かな車内で、車窓を流れる景色を堪能する。市街地を過ぎると遠くに那須連山の山並みが美しい。郡山まで約3時間。夢のような時間は、あっという間に過ぎた。


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