「misfitsは、『社会との違和感』『孤独の深掘り』といったロックの概念を象徴するような言葉。歌詞やインタビューにもよく登場する、ロック頻出単語です」(鈴木さん)

 作中で繰り返される“We’re family.”(俺たちは家族)のセリフもクイーンをよく表している、と鈴木さん。

 バンドというと、ビートルズのジョン・レノンとポール・マッカートニー、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーとキース・リチャーズのようにバンドを代表する2人が「長年連れ添った夫婦のような関係」などと表現されることが多い。だがクイーンの場合、4人全員が作詞・作曲する平等意識もあるのか、自分たちをfamilyになぞらえるのだろう。

 misfitsとfamilyのキーワードがどこで登場するか。注意しながら映画を見てほしい。

「映画もいいですが、ユーチューブではインタビュー映像も出てきます。聞き取りやすいので、どんな英語が話されているか、ぜひ本人たちが語る言葉も聞いてみてください」(鈴木さん)

「『好き』がいちばんの原動力になる」と、映画や海外ドラマを活用した英語力アップを勧めるのは、英語教材プロデューサーの有子山(うじやま)博美さん。

 有子山さん自身、TOEIC860点、英検準1級を取ったあとも、同僚と話せない、海外でミュージカルを見てもさっぱり聞き取れない、という時期が続いたそうだ。克服のカギとなったのが映画とドラマだ。

「アリー・myラブ」にハマり、よく出てくるフレーズをエクセルに書き込み、アリーになりきって会話をまねした。続けるうち、相づちや話の切り出し方がうまくなり、相手の言っていることがわかるようになった。以前は「意味は伝わるけど不自然」という英語だったが、今は「言葉の選び方がネイティブみたいだ」と言われるほど、ネイティブ英語が身についた。

 DVDを入手したら、まず何をすればいいのか。

「まずは1シーンで構いません。お気に入りの場面で、英語字幕を確認しましょう。ボヘミアン・ラプソディなら、私はフレディがメンバーにエイズを告白するシーンでいちばん心が動かされました」(有子山さん)

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